旅行の予定が変わって、乗車日時や列車を変更したいことはよくあります。
SNCF(フランス国鉄)では、列車の種類や購入した料金プランによって変更ルールが異なり、アプリでの手続きもポイントを押さえる必要があります。
変更できる条件・列車タイプごとの違い・アプリでの手順をわかりやすく解説します。

まず確認すること
変更か、キャンセルか判断する
当たり前ですが、予約していた電車に乗れそうもない時、変更かキャンセルかを判断しましょう。
- 変更:旅行を取りやめずに日付や時間を動かすこと
- キャンセル:旅行自体を取りやめて払戻しを受けること

この記事では乗車券の変更について詳しく紹介します。
変更条件を確認する
基本的に、出発前の乗車券のみ変更可能で、出発後は変更できません。
乗車券の変更条件は、鉄道会社(SNCF本体、地域ごとのSNCF、Ouigoなど)やチケットの料金条件によって異なります。
まず手持ちの乗車券の変更条件を確認しましょう。
乗車券の変更条件は、次の方法で確認可能です。
- 予約確認メール
- SNCF Connect(公式サイト・アプリ):Manage booking(予約管理)>Fare Conditions(料金条件)
変更手数料一覧
列車のタイプ別に、無料変更が可能な期間と、それ以降の手数料を一覧にまとめました。
変更料金 | 期間 | |
TGV INOUI | 無料 | 出発7日前まで |
手数料あり | 出発6日前以降:19€/人・区間 | |
INTERCITÉS | 無料 | 出発7日前まで |
手数料あり | 出発6日前以降:運賃の40%(上限15€) | |
TGV Lyria | 無料 | 出発7日前まで |
手数料あり | 出発6日前以降:25€/人 | |
無料 | なし(※有料オプション「OUIGO Flex」がある場合は無料) | |
手数料あり | 出発30分前まで:19€/人・区間 | |
TER | 無料 | 出発前日まで |
手数料あり | ー | |
Eurostar | 無料 | Standard/Plus:出発1時間前まで Premier:出発後48時間以内 |
手数料あり | ー |
次の項では、列車のタイプ別にもう少し詳しく紹介します。
列車タイプ別ルール
列車の種類によって変更ルールが異なります。
代表的なものを整理しました。
TGV INOUI・INTERCITÉS
フランス国内で最も利用される高速列車TGV INOUIや、長距離列車INTERCITÉSは、出発前日数に応じて変更ルールが大きく変わります。
変更手数料 | ||
出発7日前まで | 無料 | |
---|---|---|
出発6日前~出発30分前まで | TGV | 1名1区間あたり19€ |
INTERCITÉS | 運賃の40%・最大15€ |
出発30分前まで同一路線で最大2回まで変更できますが、変更後の払い戻しはできません。
TGV Lyria
フランス国鉄SNCFとスイス国鉄CFFが共同運行する国際高速列車「TGV Lyria(リリア)」は、パリとジュネーブ・ローザンヌ・チューリッヒなどのスイス主要都市を直通で結んでいます。
通常のTGVとは変更ルールが違いますから注意してください。
変更手数料 | ||
出発7日前まで | 大人(12歳以上) | 無料 |
子ども(4〜11歳) | ||
出発6日以降 | 大人(12歳以上) | 25€(または25CHF) |
子ども(4〜11歳) | 無料 |
TGV Lyriaは子供(4〜11歳)には寛容で、出発前までの変更は無料です。
OUIGO
OUIGOは格安運賃が魅力ですが、その分変更にも厳しいルールがあります。
有料オプション「OUIGO Flex」を購入した場合は、出発30分前まで、手数料無料で何度でも変更可能です(ただし差額運賃は必要)。
変更手数料 | ||
出発30分前まで | 通常OUIGO | 1名・1区間あたり19€ |
---|---|---|
OUIGO Flexあり | 無料(差額運賃の支払いは必要) |
TER(在来線)
各地域を結ぶTER(在来線)は、TGVなどに比べると変更ルールが緩やかです。
地域ごとに差はありますが、基本的には出発前日までなら無料で変更できます。
変更手数料 | |
出発前日まで | 無料(差額運賃の支払いは必要) |
Eurostar
パリとロンドン、ベルギー、オランダ、ドイツを結ぶ国際列車Eurostarは、チケット種別によって柔軟性が大きく異なります。
国際列車は料金が高い分、柔軟なプランを選んでおくと安心かもしれません。
変更手数料 | ||
出発1時間前まで | Standard | 無料 |
Plus | ||
出発後48時間以内 | Premier | 無料 |
「当日交換」できる料金
SNCFには「Échange Garanti(交換保証サービス)」という仕組みがあり、出発当日に列車を変更できる特別ルールが用意されています。
当日交換可能な対象料金の乗車券を持っていれば、満席の列車であっても立席として乗車できるなど、通常より柔軟な対応が可能です。
当日交換の対象料金・内容
当日交換できる「Échange Garanti(交換保証サービス)」の対象料金は次表のとおりです。
対象料金 | 備考 |
MAX ACTIF / MAX ACTIF+ | 定期プラン(若年層/アクティブ層向け) |
Forfait Hebdo / Mensuel | 定期券(週/月) |
Carte Liberté料金 | 出張やビジネス利用者向けの柔軟プラン |
Fidélité Grand Voyageur le Club | ロイヤリティ・プログラムの上位会員向け |
Pro 2nde / Business Première / Flex Première | ビジネス利用向けの柔軟チケット |
Tarifs particuliers Full Flex | フルフレックス料金 |
上表の料金を支払った上で、当日交換の条件は次のとおりです。
- 変更できるのは、同じ日・同じ区間の別列車
- 満席列車でも変更可能だが、座席は保証されず、立席となる場合あり
- 出発30分前以降は、1人1回のみ変更可能
- 出発後30分以内であれば、無料で交換可能
- 出発30分を過ぎると、変更・払い戻し不可

SNCF Connect で予約をする際に、同じ列車だけども複数の料金が表示されることがあります。高額な料金は、当日可能な条件のものがあります。
SNCF Connect で変更する方法
SNCF Connect(公式サイト・アプリ)上で、数分で変更手続きが可能です(※ネット環境とログインが必要)。
ここではざっくりとした流れを紹介します。


希望を変更する旅行が表示されている場合は、次「STEP 3」に進んでください。表示されない場合は、SNCF Connect に乗車券情報を紐付けるためにインポートが必要です。
- 【サイト】Find a ticket, card or option をクリックする
- 【アプリ】Import をクリックする
- 必要情報を入力する
- Reference number(乗車券番号 6〜12桁)
- I dont’t have the order last name(私は予約時の姓がありません(わかりません)):該当する場合は、右にスライド>Train number(列車番号)とDeparture date(出発日)を入力
- Last name used to make the booking(予約時に使用した姓)
- Validate(有効にする)をクリックする
- 変更を希望する旅行のManege Booking(予約管理)をクリックする
- Exchange(変更) をクリックする
- 希望する新しい日時・列車を選ぶ
- 差額・手数料がある場合は支払い画面へ進む
- 変更作業が完了すると送信される確認メールが届くので、変更内容に間違いがないか確認する
よくある質問(FAQ)
- 複数名で予約した場合、1人分だけ変更はできますか?
-
料金条件が許す場合は、1人分だけの変更は可能です。ただし、割引カードを使って予約した場合、または割引カードを持つ人と一緒に旅行する場合は、1人だけ片道(往路または復路)を変更することはできません。
- すでに座席を予約済みの場合、座席だけ変更できますか?
-
予約後、座席のみの変更はできません。
まとめ|変更ルールを理解してスムーズに旅行計画を
- SNCFの予約変更は列車タイプや料金条件によってルールが異なる
- 変更の手続きは、SNCF Connect(サイト・アプリ)から簡単にできる
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