- ワイン好きなのでシャンパーニュ地方でシャンパンを飲んでみたい
- 世界遺産を巡る旅が好き
- パリから日帰りで行ける旅先を知りたい
- ドイツ、ベルギー、ルクセンブルグなど欧州在住で、休日のドライブ先を探している
そんな方に、フランス北部の街、ランス(Reims)の旅はとてもおすすめです。
ランスは「世界遺産」の街です。2つの世界遺産登録があります。
ランスが関わる2つのユネスコ世界文化遺産登録
- ランスのノートルダム大聖堂、サンレミ旧大修道院及びトー宮殿(1991年登録)
- シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴ(2015年登録)
街のシンボルであり、フランスの歴代国王が戴冠式を行ったことで知られる「ノートルダム大聖堂」は見逃せません。祭壇奥のシャガール作ステンドグラスは必見です。
また、ランスは「シャンパン」の街です。ランスは、フランスワインの主要産地のひとつ、シャンパーニュ地方で最大の都市。ヴーヴ・クリコ、クリュッグなど、有名銘柄の多くが本社を構えています。シャンパーニュ生産者のカーヴ見学もぜひ訪れたい観光スポットです。
さらに、最近では2022年サッカーW杯で日本代表として大活躍した伊東純也選手が所属するチーム「スタッド・ランス」の本拠地の街としても知名度が伸びつつあります。
シャンパーニュ地方在住10年目(うち約2年はランス在住)の筆者が、現地情報や筆者の経験を交えながら、ランス観光のポイントを詳しく説明します。
ランスはどこにある?
ランス(Reims)は、パリの東北東142kmに位置する街です。
ランスの緯度は北緯49度。札幌(北緯43度)よりも、さらに北にあります。
ワイン産地としてのシャンパーニュ地方の主産地である、マルヌ県で最大の経済規模を誇る街です。人口は約18万人。フランスで12番目に人口が多い街です。ちなみに、県庁所在地ではない街としては、フランスでいちばん大きな街です(マルヌ県の県庁所在地はシャロン・アン・シャンパーニュ)。
2017年、ランス市は愛知県名古屋市と姉妹都市提携を結んでいます。日本とも文化的な交流があります。
「ランス」違いに注意
フランスには、日本語で「ランス」と読む街が2つあります。日本語の読みは同じですが、違う街です。ご注意ください。
2つの「ランス」
- Reims…この記事で話題にしている街です。
- Lens…「ルーヴル美術館ランス別館(Musée du Louvre-Lens)」で有名な街。
ちなみに、Reims はフランス語の「R」の発音で始まるため、外国人にとって発音しにくい街の名前です。
Reims をアルファベットの字面どおり「レイムス」と読む人もいます(英語圏の方に多いです)が、地元のフランス人でも、理解できる人とできない人がいるので、気をつけましょう。
もしランスの正しい発音に興味がある方は、この動画の発音を参考にしてください。
ランス市街の地図
この記事で紹介するすべての場所を、グーグルマップにまとめました。
ランスの旅の計画、または旅の途中で役立ててもらえると嬉しいです。
ランスへの行き方

パリからランスへの行き方
ランスは、パリからのアクセスが良いことも魅力です。
パリからランスを目指す場合は、電車で移動することをおすすめします。
パリ東駅からランス駅までTGV(高速鉄道)に乗れば45分で来ることができます。ランス市民の中には、パリに通勤している人も少なくありません。
パリからランスまでの交通手段別の所要時間は下表のとおりです。
交通手段 | 経路 | 所要時間 |
電車(TGV=高速鉄道) | パリ東駅 → ランス駅 | 45分 |
車 | パリ → ランス | 約2時間 |
高速バス | パリ・ベルシー・バスターミナル → シャンパーニュ・アルデンヌTGV駅 | 1時間30分〜 |
上表の車・高速バスでの所要時間を見て「意外と近い」と感じた方もいるかもしれませんが、あくまで順調に進んだ場合の時間です。パリ市内・パリ近郊では渋滞することが多いので、気を付けてください。
シャルル・ド・ゴール国際空港からランスへの行き方
ランスは、シャルル・ド・ゴール国際空港からのアクセスも比較的良い場所です。車を予約すれば1時間30分で来ることができます。
また、シャルル・ド・ゴール空港直結の駅からシャンパーニュ・アルデンヌTGV駅までのTGVの乗車時間は30分です。ただし、1日のTGVの運行本数は非常に限られています。ご注意ください。
交通手段 | 経路 | 所要時間 |
電車 (TGV=高速鉄道) | パリ・ベルシー・バスターミナル ↓ シャンパーニュ・アルデンヌTGV駅 | 30分 |
車 | シャルル・ド・ゴール国際空港 ↓ ランス市街 | 約1時間30分 |
高速バス | シャルル・ド・ゴール国際空港バスターミナル ↓ シャンパーニュ・アルデンヌTGV駅 | 2時間40分〜 |
≫シャルル・ド・ゴール国際空港からランスまでの行き方の詳細記事へ
≫シャンパーニュ・アルデンヌTGV駅からランス市街までの行き方の詳細記事へ
ランスは近隣国からのアクセスも良好
フランス北部に位置するランスの街は、近隣国からの車でのアクセスも良好です。実際に、ドイツ、ベルギー、ルクセンブルグ、オランダから来る観光客は大勢います。
ランスは、2つの高速道路が通っています。
ランスを通る2つの高速道路
- A4-E50 (Paris – Strasbourg)
- A26-E17 (Calais – Troyes – Dijon)
近隣国の主な街からランスまでの車での移動時間の目安は次のとおりです。
近隣国の主な街からランスまでの車での移動時間
【ルクセンブルグ】
- ルクセンブルグから2時間30分
【ベルギー】
- ブリュッセルから3時間
- アントワープから3時間30分
【ドイツ】
- デュッセルドルフから4時間20分
- フランクフルトから4時間30分
【オランダ】
- アムステルダムから5時間
【イギリス】
- ロンドンから5時間45分
週末のドライブ・小旅行先として、ランスを訪れる人はたくさんいます。近隣国に駐在・留学中の方にも、おすすめです。
ランス観光の見どころ(1)世界遺産登録が2つ
ランスが関わる「ユネスコ世界文化遺産」は、次の2つです。
- ランスのノートル・ダム大聖堂、サン・レミ旧大修道院及びト宮殿(1991年登録)
- シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴ(2015年登録)
ノートル・ダム大聖堂

Cathédrale Notre-Dame de Reims (ノートル・ダム大聖堂)は、フランス・ゴシック様式の代表的な建築物のひとつ。建設は12世紀から始まり、13世紀に完成しました。フランク国王・クローヴィスから始まり、歴代フランス国王の戴冠式が行われた重要な場所です。
ノートル・ダム大聖堂で特に有名なものは次のとおりです。
- 微笑みの天使
- マルク・シャガール作のステンドグラス
- ばら窓


トー宮殿
Palais de Tau(トー宮殿)は、1498年から1509年にかけて建設された、ランス大司教の公邸です。ノートルダム大聖堂に隣接しており、国王の戴冠式の際は、国王が宿泊する「ホテル」として利用されました。現在は、博物館として、主に大聖堂や戴冠式に関する物を展示・収蔵しています。
サンレミ旧大修道院

サンレミ聖堂(Basilique Saint-Remi)は、フランス北部におけるロマネスク美術の最も傑出した作品のひとつと言われています。
11世紀に聖人レミ(サン・レミ)の遺品や聖なる香油瓶(サント・アンプール)を収蔵するために建設されました。聖人レミは、496年にクローヴィスを洗礼した司教です。
聖堂は、第一次世界大戦中にドイツ軍により大きな被害を受けました。その修復には40年もの時間がかかり、1958年まで続きました。
世界遺産の登録名「サンレミ旧大修道院」は、聖堂の隣のサンレミ博物館が元々は修道院だったことに由来しています。
シャンパーニュ生産者の「カーヴ」

2015年に登録された世界遺産「シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴ」で、ランス観光に特に関わるのは「カーヴ」の部分です。
カーヴ(地下蔵)は、「シャンパンの泡」が生まれる工程(ワイン用語「瓶内二次発酵」の工程)で、ボトルを保管・熟成させる場所です。
ランスの大手生産者のカーヴは、かつて重要な建築資材だった「石灰岩」を採石した後に、数メートルの深さを持つ地下スペースを再利用したものです。
世界遺産リストに登録されているランスのカーヴは次のとおりで、「サン・二ケーズの丘(Les Colline de Saint-Nicaise)」と呼ばれるエリアにあります。
世界遺産リストに登録されているランスのカーヴ
- Pommery(ポメリー)
- Ruinart(ルイナール)
- Veuve-Clicquot(ヴーヴ・クリコ)
- Charles Heidsieck(シャルル・エドシック)
- Taittinger(テタンジェ)
- Martel(マーテル)
シャンパーニュ生産者のカーヴ見学方法は、次の項で詳しく紹介します。
ランス観光の見どころ(2)「シャンパン」の街

ランスは、シャンパーニュ(シャンパン)の街です。世界的に有名な大手シャンパーニュ生産者の多くが、ランスの街に本社(メゾン)または生産拠点(カーヴ)を構えています。
大手シャンパーニュ生産者(大手メゾン)の中には、観光客向けのカーヴ見学・シャンパーニュ試飲を行っているところもあります。ランスでは見逃せない観光スポットです。
日本で人気のあるシャンパーニュ生産者の観光向けセラー見学の受入れ状況は次のとおりです(2023年3月現在)。
生産者名 | セラー見学 |
Charles Heidsieck (シャルル・エドシック) | X |
Krug(クリュッグ) | X |
Lanson(ランソン) | ◯ |
Louis Roederer(ルイ・ロデレール) | X |
Mumm(マム) | ◯ |
Pommery(ポメリー) | ◯ |
Ruinart(ルイナール) | ◯ |
Taittinger(テタンジェ)※2024年秋までカーヴ工事中 | △ |
Veuve Clicquot(ヴーヴ・クリコ) | ◯ |
シャンパーニュ生産者によっては、カーヴ見学や試飲以外にも、「食事付プラン」、専用の刀を使ってボトルを開ける「サブラージュ体験」など、観光客向けに独自のプランを用意しています。
こうした観光プランへの予約申込は専用サイトを使うと便利です。当サイトでは「ウィナリスト(Winalist)」の利用をおすすめします。
≫ワイナリー見学を簡単に予約できる「ウィナリスト」の詳細記事へ
ランスの見どころ(3)まだある観光スポット
フジタ礼拝堂
フジタ礼拝堂(La chapelle Foujita)は、日本人観光客に特に人気のある観光スポットです。
日本人画家・藤田嗣治(1886-1968)が、1965年から1966年にかけて設計・装飾した礼拝堂です。
1957年、シャンパーニュ・マム(Champagne Mumm)社長だったルネ・ラルー氏は、自社のロゼ・シャンパーニュのイメージを強めるために象徴となるものを探していました。ラルー氏の依頼を受けた藤田が水彩画で描いた絵が「フジタの薔薇」でした。なお、この薔薇の絵は、現在も同社のロゼ・シャンパーニュの王冠(プラック・ド・ミュズレ)に描かれています。
1959年に藤田はキリスト教に改宗し、ラルー氏が代父となりランスのノートル・ダム大聖堂で洗礼を受けました。洗礼名は、レオナール・ツグハル・フジタ(Léonard Tsugouharu Foujita)。ラルー氏がフジタに寄贈した土地に建つのが、フジタ礼拝堂です。
この礼拝堂には、フジタと妻・君代(きみよ)が埋葬されています。
Musée de Reddition(降伏博物館)
降伏博物館は、1945年5月7日午前2時41分、ドイツの降伏文書が署名された場所です。ヨーロッパにおける第二次世界大戦終戦です。調印が行われた「地図の部屋」を見学することができます。
Porte de Mars(マルス門)
ランス駅前の公園の遊歩道の先にある、ローマ遺跡が「Porte de Mars(マルス門)」です。現存するローマ遺跡の中でも最も長いもののひとつで、長さ約32m、高さ12mを誇ります。2世紀末頃に建てられたマルス門は、もともと4つありましたが、現在は1つだけ残っています。
ランスの見どころ(4)12月のクリスマス・マーケット
フランスのクリスマス・マーケット(フランス語では「マルシェ・ド・ノエル」)は、ストラスブルグやコルマールなど、アルザス地方をイメージする方も多いかもしれませんが、ランスのクリスマス・マーケットがあります。
ランスのクリスマス・マーケットは、シャレー(山小屋風の出店)の数では、フランスで第3位の規模を誇ります。ランス市lの公式サイトによれば、2022年は150のシャレーが参加しました。
シャレーでは、クリスマス・ツリーに飾るオーナメントや、テーブル・デコレーションなど、クリスマスにちなんだ商品はもちろん、ヴァンショー(ホットワイン)、クレープ、ラクレットなど温かい軽食、チーズやハムなどの食品、皮小物や置物など雑貨類も販売されています。
毎年12月に行われるクリスマス・マーケット。2022年は、12月1日〜31日にランス駅前にある公園から続く遊歩道(promenades Jean-Louis Schneiter)からマルス門のある広場(l’esplanade porte de Mars)までの区間で行われました。
※前出の動画は、2021年のクリスマス・マーケットの様子です。2021年のメイン会場はノートル・ダム大聖堂前でした。
ランスで食べる(1)レストラン&ワインバー
ランスのミシュラン星付レストラン4店

ランスには、ミシュランガイド2023年版に掲載された星付きレストランが4軒 あります。
ランスのミシュラン星付きレストラン4軒 (Guide Michelin 2023)
- 3ツ星:Assiette Champenoise(アシエット・シャンプノワーズ)
- 2ツ星:Le Parc Les Crayères(ル・パルク・レ・クレイエール)
- 2ツ星:Racine(ラシーヌ)
- 1ツ星:Le Foch(ル・フォック)
L’Assiette Champenoise***(ラシエット・シャンプノワーズ)
シェフ:Arnaud LALLEMENT(アルノー・ラルマン)氏
ランス駅から車で約7分。タンクー(Tinqueux)というエリアにあります。グラン・デスト地方圏で唯一のミシュラン3ツ星店(2014年から保持)で、同名のホテルも併設しています。
Le Parc Les Crayéres** (ル・パルク・レ・クレイエール)
シェフ:Philippe MILLE(フィリップ・ミル)氏
ランス駅から車で約8分。東京・六本木にシェフの名を冠したレストラン「フィリップ・ミル東京」があり、長年スーシェフを馬田氏が務めており、何かと日本と縁のある老舗シャトー。ホテルも併設しています。
Racine**(ラシーヌ)
シェフ:田中 一行(たなか かずゆき)氏
ノートルダム大聖堂の裏の公園近く。ランス駅から徒歩約18分。いま「ランスで最も予約が取れない店」と言われています。日本人ならではというべきなのか、細かな手仕事に支えられた目にも舌にも繊細で、シャンパーニュに寄りそうような料理。シャンパーニュ・リストは小規模生産者を中心とした構成です。
Le Foch*(ル・フォッシュ)
シェフ:Jacky Louazé(ジャッキー・ルアゼ)氏
ランス駅前、店名と同じフォッシュ通り(Boulevard Foch)に立地。シェフの奥さん、コリーヌさんがソムリエを務めます。ミシュラン1ツ星を20年間保持(2003~2023年現在)する名店。
ランスのレストラン&ワインバー厳選9店
ランスに来たからには「シャンパーニュと一緒に食事を楽しみたい」という方も多いと思います。フランス料理とシャンパーニュを提供するレストランとワインバー9店を紹介します。
【ノートル・ダム大聖堂付近】
La Grande Georgette(ラ・グランド・ジョルジェット)
ノートルダム大聖堂目の前のホテル「La Caserne Chanzy(ラ・カゼルヌ・シャンジー)」内。シェフはGault & Millauガイド2023年版で「Jeune Talent (若き才能)」賞を獲得。上質なビストロ料理の趣。パリのカフェのようなテラス席もあり。毎日営業。
Gueuleton(グールトン)
ノートルダム大聖堂のすぐ裏。店内で目を引くのは「熟成肉」の冷蔵庫。数人でシェアするような塊肉も楽しめます。シャンパーニュはもちろん、スティルワインも充実しています。営業日は、朝7時半からノンストップ営業。
【ランス駅・ドルエデルロン広場(Place Drouet d’Erlon)付近】
ランス駅から真っすぐ進み通りを渡ってすぐの場所が、地元「デルロン広場(Place d’Erlon)」と呼ばれる広場で、歩行者天国になっています。観光客も地元客も多いので、必然的に飲食店もたくさんあります。
The Glue Pot(グリュー・ポット)
ランス駅そば、デルロン広場。アイリッシュ・パブのような外観ですが、小規模シャンパーニュの品ぞろえは随一。グラスワインの品揃えが多く、シャンパーニュ・赤・白とも常時3-4種類あります。食べ物は定番メニューが多め。地元で長く愛される名店。
【フォーラム広場(Place du Forum)付近】
デルロン広場に比べると、フォーラム広場は小さい広場ですが、地元っぽい雰囲気が漂います。下記に紹介する店以外にも、感じの良いレストラン、カフェ、ワインバーが軒を連ねています。
Wine bar by Le vintage(ル・ワインバー・バイ・ル・ヴィンテージ)
フォーラム広場。ノートルダム大聖堂裏にあるワインショップ「ル・ヴィンテージ」が経営するワインバー。ワインリストには、シャンパーニュ・フランスワインに限らず、世界の銘醸ワインが並びます。夏のテラス席は大人気。
AU BON MANGER(オー・ボン・マンジェ)
フォーラム広場そば。エピスリー(高級食材店)ですが、テーブルが数席あり、ハムやチーズの盛り合わせなど軽食を提供。自然派ワインの品揃えは秀逸。世界中の熱心なシャンパン愛好家のファンも多い店。
Sacré Burger(サクレ・バーガー)
ランス市庁舎とフォーラム広場をつなぐ小道「タンブール通り」。名物はハンバーガーですが、ワインバー感覚で使える店です。小規模生産者のシャンパーニュが充実。エペルネ「サクレ・ビストロ」の姉妹店です。
【ブーラングラン付近】
「ランスの台所」と言えるエリアです。大きな朝市(マルシェ)が開かれるレ・アール(Les Halles)を筆頭に、マルス通り(rue de Mars)沿いには、レストランや食材店が並びます。
Le Bocal(ル・ボカル)
土曜朝市のあるブーラングラン目の前。同名の鮮魚店が経営する店。魚介&シャンパーニュ・白ワインを味わえる店。産地・大きさ違いなど、牡蠣の食べ比べも楽しめます。
【その他】
Croquignole(クロキニョル)
市街にあるものの観光エリアからは少し外れた立地ですが徒歩圏内です。NHK『世界入りにくい居酒屋 フランス・シャンパーニュ』で登場した店がここ。恰幅の良い陽気な女性シェフの店。名物はタルタルステーキ。シャンパーニュ・ワインの選択肢は限られている印象。ランチタイムに来る近所の大手メゾンのスタッフも多いようです。
Brasserie Le Jardin(ブラッスリー・ル・ジャルダン)
市街から少し離れた場所(ランス駅から車で約7分)。2ツ星店「ル・パルク・レ・クレイエール」の系列店で、ミシュランガイドではビブグルマンを獲得しています。モダンな内装の店内、夏のテラス席のどちらも素敵です。分厚いシャンパーニュ・リストは読み応えあり。毎日営業。
ランスの日本食レストラン
旅の疲れで胃腸の調子が優れない時や、長旅で日本の味が恋しくなった時のために、ランスにある日本食のレストランを2店紹介します。
Shin’Zen(シンゼン)
日本人の料理人ではありませんが、日本人の和食店で長年料理経験を積んだ方の店です。主なメニューは握り寿司、ちらし寿司、焼き鳥。
GENKI(ゲンキ)
ノートルダム大聖堂から徒歩3分。ラーメン店ですが、餃子、丼物、揚げ物、たこ焼など、おなじみのメニューが並びます。22時半まで営業(日曜を除く。2023年3月現在)。
ランスで食べる(2)惣菜、チーズ、デザート
- ランチにレストランでコース料理を食べたので、夜はつまむ程度に軽く食べたい
- 疲れたので、お店ではなく、ホテルの部屋で食事を摂りたい
- 景色の良い場所に出かけて、ピクニックをしたい
そんな時もあるかもしれません。
パンやチーズ、パテ・ハムといった加工肉類、冷製または温製のお惣菜などを、お腹の空き具合や、好みに合わせて、買い揃える食べるのも楽しいものです。
ランス市街で惣菜、チーズ、デザートを購入できるお店を紹介します。
ランスの惣菜店
Boucherie Brezillon(ブッシュリー・ブルジヨン)
シャルキュトリー(ハム・ソーセージなどの豚肉製品)と惣菜店も兼ねた精肉店です。
La Bottega della Villa(ラ・ボッテガ・デラ・ヴィッラ)
イタリア食材を扱うエピスリー(高級食材店)です。店内と屋外に席があり、その場で食べることも可能です。
ランスのチーズ専門店

Fromages et Vins du Boulingrin(フロマージュ・エ・ヴァン・デュ・ブーラングラン)
レ・アールそばのチーズ専門店。チーズのみならず、高品質のワイン・シャンパーニュやパテ、スナックなどおつまみ類も揃えています。
La Cave aux Fromages(ラ・カーヴ・オ・フロマージュ)
フォーラム広場にあるチーズ専門店。チーズとハム・サラミを販売。
Au Bon Manger(オー・ボン・マンジェ)
フォーラム広場そば。エピスリー(高級食材店)。チーズ専門店に比べれば種類は限られていますが、厳選された品揃え。ハム・サラミ、テリーヌやパテも量り売りしています。ワインに合うおつまみが豊富。
ランスのパティスリー(菓子店)

Maison Caffet (メゾン・カフェ)
ブーラングラン地区。MOFチョコレート職人・Pascal Caffet (パスカル・カフェ)氏の直営店。地元シャンパーニュ地方出身(オーブ県トロワ)の偉大なショコラティエとして、ランスでも人気があります。チョコレートはもちろん、ケーキ類もあります。日本へのお土産選びにもおすすめのお店です。
Boulangerie Les Halles (ブランジュリー・レ・アール)
ブーラングラン地区。前出の「メゾン・カフェ」の隣にあります。パン・お菓子を製造・販売しています。通りに面したウインドウには繊細な色とりどりのケーキが並びます。テラス席もあり、飲み物を頼んでその場で食べることも可能です。
Aux Merveilleux de Fred(オー・メルベイユ・ドゥ・フレッド)
ブーラングラン地区。世界に支店を持つパティスリーのランス店。名物はメレンゲ菓子。日本には、東京・神楽坂の1店舗のみ。
土曜の朝は、マルシェ(朝市)の日

もし、土曜日にランスにいるのなら、ブーラングラン(Boulingrin)のマルシェ(朝市)に行くのもおすすめです。
例えば、魚屋さんで生牡蛎や茹で海老、肉屋さんでハム・サラミやお惣菜、チーズ屋さんでチーズをいくつかーーといった具合に、シャンパーニュに合いそうなおつまみをマルシェだけで調達できます。
他の曜日にも、同じ場所または違う場所で朝市はありますが、観光客にとって行きやすい市街の朝市で、出店数が多く賑わいがある朝市は土曜のブーラングランです。
早朝に行く必要はありませんが、12時を過ぎると店仕舞いを始める店舗もあるので、午前中に行くことをおすすめします。
毎日営業、ミニスーパー「モノップ」
モノップ(Monop’)は、スーパーマーケット「MONOPRIX(モノプリ)」系列の小さなスーパーです。日本のコンビニくらいのサイズ感の店舗です。
ランス市庁舎・フォーラム広場のすぐそばにあります。
おつまみになりそうな惣菜類、ハム、チーズ、スナック菓子はありますし、もちろん野菜や果物、パン、ミネラルウォーター、日用品も一通りあります。
毎日営業、夜遅くまで開いているので、知っていると便利なお店です。
モノップ(Monop’)
住所:7 Rue Dr (Docteur) Jacquin
営業時間:月~土曜 7:30~23:00、日曜 8:30~21:00(2023年3月現在)
ランスで買う(1)シャンパーニュ

Cave des Sacres (カーヴ・デ・サークル)
ノートル・ダム大聖堂の目の前、正面に向かって右側にある緑色の看板が目印。シャンパーニュは大手から小規模生産者まで広く取扱いがあります。店頭にあるボトルとは別に、店員さんにお願いすれば「古酒のリスト」を見せてもらえます。
Le Vintage (ル・ヴィンテージ)
ノートルダム大聖堂の真裏。店の奥に並ぶシャンパーニュは、幅広い品揃え。新たな生産者のシャンパーニュも積極的に取り扱っている印象です。

La Cave Colbert (ラ・カーヴ・コルベール)
ランス市庁舎の正面、コルベール通りに立地。シャンパーニュは、大手から小規模生産者までバランスの良い品揃え。店主は英語で接客可能で、試飲コメントやアドバイスはとても的確です。
Trésor de Champagne(トレゾール・ド・シャンパーニュ)
レ・アールの真裏。シャンパーニュ生産者のグループ「クラブ・トレゾール・ド・シャンパーニュ」の実店舗。グループに所属する生産者の「スペシャル・クラブ(※)」と通常品を販売しています。店舗内での有料試飲も可能です。
※Spécial Club(スペシャル・クラブ)…一般的なボトルよりも、ボトル下部が幅広の専用ボトルに詰められたシャンパーニュ。専用ボトルのシャンパーニュは常にヴィンテージ(単一収穫年)で、グループに所属する生産者が自社ブドウを用いて自家醸造したものに限る。
Plus de Bulles(プリュス・ド・ビュル)
ランスで買う(2)お土産
- お酒を飲まない人へのお土産がほしい
- 友人・知人に気軽に配れるようなお土産がほしい
ランスは「シャンパン」の街とはいえ、シャンパーニュをお土産として持ち帰るには、金銭的にも荷物の重さ・スペースにも限度があるかと思います。ランスで買えるシャンパーニュ以外のお土産を紹介します。
ビスキュイ・ローズ(ピンク・ビスケット)
ランスの銘菓といえば、この「ビスキュイ・ローズ」です。「シャンパーニュに浸す」という伝統的な食べ方を持つお菓子です。主な材料は、卵、卵白、砂糖、小麦粉で、特徴的なピンク色は天然着色料によるものです。
ビスキュイ・ローズといえば「FOSSIER(フォシエ)」社。ランス市街にフォシエ直営店があります。直営店は少量入りやノートル・ダム大聖堂など特製デザイン缶入りなど、品揃えが豊富です。少量サイズがほしい方は直営店に行きましょう。
スーパーマーケットの地元特産品コーナー(”Produits Locaux”などと表記されている棚)でも、販売されています。
フォシエ社製のビスキュイ・ローズが有名ですが、ランスのパン屋さん・お菓子屋さんに行くと、手作りのビスキュイ・ローズを販売していることもよくあります。甘さや食感など、店によって違う味わいが楽しめます。
ランスのマスタード&ワインビネガー
ランスの「マスタード」「ワインビネガー」と言われても、フランス通の方であっても、あまりピンと来ないかもしれません。地元の人にはとても馴染みのある商品です。
ワインビネガーの原材料のひとつは、シャンパーニュ産の白ワインです。そして、マスタードには、そのワインビネガーが使用されています。
マスタード、ワインビネガーは共に、フォシエ直営店・地元のスーパーで購入することができます。お土産用に小さいサイズの商品(特にマスタード)がほしい場合は、直営店に行くことをおすすめします。
ランスで泊まる
ランスの5つ星ホテル
Assiette Champenoise(アシエット・シャンプノワーズ)
ランス駅から車で8分。同名の3つ星レストランを持つホテル。客室は、現代的で高級感のあるインテリア。宿泊者用のプールを併設しています。
Les Crayères(レ・クレイエール)
ランス駅から車で8分。有名な2つ星レストラン「Le Parc (ル・パルク)」を持つシャトー・ホテル。客室は、クラシックで優雅なスタイル。美しい庭園もあり、穏やかな時間を過ごせます。
La Caserne Chanzy(ラ・カゼルヌ・シャンジー)
ノートルダム大聖堂の正面という絶好のロケーション。2019年に開業。かつて消防署だった建物を改装、現代的なホテル&スパに生まれ変わりました。客室は、モダンで洗練されたスタイルの内装です。レストラン「La Grande Georgette(ラ・グランド・ジョルジェット)」と、パリ風のテラス席を併設。
ホテル
筆者が知る限り、日本人のお客さんから定評のあるランスのホテルを2軒紹介します。毎年、シャンパーニュ地方を訪問する日本人のワイン関係者や観光客がよく宿泊している印象です。
Best Western Premier Hotel de la Paix(ベスト・ウエスタン・プルミエ・ホテル・ド・ラ・ぺ)
ランス駅至近、デルロン広場そば。街の中心地にあるので、とても便利です。
Novotel Suites Reims Centre(ノボテル・スイート・ランス・サントル)
ランス駅の反対口、すぐ目の前。ランス駅の横でとても便利ですが、街の中心地とは反対の出口という点に注意してください。
もちろん、この他にもランスにはたくさんの宿泊施設があります。立地・予算・目的に応じて検索してみてください。
まとめ
- ランスはパリから電車TGVで45分、日帰り旅行も可能
- ランスはシャルル・ド・ゴール国際空港から車で1時間30分
- ランスは「世界遺産」と「シャンパン」の街
- ノートル・ダム大聖堂とシャンパーニュ生産者のカーヴは必見
- ランス銘菓は「ビスキュイ・ローズ(ピンク・ビスケット)」
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