シャンパーニュ地方・ランスの街で、毎年開催される「ジャンヌ・ダルク祭り」は、ランス・ノートルダム大聖堂でシャルル7世の戴冠式を実現したジャンヌ・ダルクの功績を称えるお祭りです。
「ジャンヌ・ダルク祭り」の内容と「ランスの街とジャンヌ・ダルク」の歴史的な関わりについて紹介します。
ランスの「ジャンヌ・ダルク祭り」
Fêtes Joaniques(ジャンヌ・ダルク祭り)は、フランス・シャンパーニュ地方ランスで毎年開催されるお祭りです。
1429年7月17日にランス・ノートルダム大聖堂でシャルル7世の戴冠式を行ったジャンヌ・ダルクの功績を称えるもので、ランス・ノートルダム大聖堂を中心に多くのイベントやパレードが開催され、観光客や地元の人々で賑わいます。
ジャンヌ・ダルク祭りといえば、ロワール地方オルレアンを思い浮かべる人の方が多いかもしれません。ジャンヌ・ダルクの大きな功績といえば、「百年戦争で苦境にあったオルレアンの街を解放したことと」、「シャルル7世の戴冠式を実現したこと」が挙げられます。前者を祝うのがオルレアン版の祭りで、後者を祝うのがランス版の祭りです。
2024年は、5月25・26日に開催
2024年ジャンヌ・ダルク祭りは、5月25日(土)・26日(日)の2日間にわたり行われます。
祭りのハイライトである「パレード」は5月25日(土)夜に行われます。
2024年度ジャンヌ・ダルク祭りの概要
- 開催日:2024年5月25日(土)、26日(日)
- 場所:ランス市街、主に「ノートルダム大聖堂」と「サン・レミ聖堂」周辺
【主なイベント】
- 中世のマルシェ・アトラクション
- 25日(土)11~21時
- 26日(日)10~18時
- パレード
- 25日(土)21時サン・レミ大聖堂を出発後、ノートルダム大聖堂に到着
- プロジェクション・マッピング
- 25日(土)22時サン・レミ聖堂
- 25日(土)23時ノートルダム大聖堂
最注目の「パレード」
Une magnifique #Parade pour terminer en beauté cette journée de #festivités ! Jeanne d’Arc et Charles VII, accompagnés de leur cortège #historique et #féerique, rejoignent la Cathédrale de #Reims par la Voie des #Sacres. #FêtesJohanniques2024 pic.twitter.com/b3ffiEP6hX
— Ville de Reims (@VilledeReims) May 25, 2024
ジャンヌ・ダルク祭りの最高潮は「パレード」です。
パレードは、たくさんの人を従えたシャルル7世とジャンヌ・ダルクが、ランスの街に入る様子を再現。
馬に乗ったシャルル7世とジャンヌ・ダルク、中世の衣装をまとった従者たちのほか、音楽隊、松明を持ったダンサー、山車なども一緒に街を練り歩き、見る人を楽しませてくれます。
パレードの出発地はサンレミ聖堂、到着地はノートルダム大聖堂です。
中世のマルシェ
De nombreuses #animations sont au programme des #FêtesJohanniques, tout au long du weekend, à la Cathédrale et à la Basilique Saint-Remi. Un rendez-vous #historique qui vous transportera au cœur du #MoyenÂge !
— Ville de Reims (@VilledeReims) May 25, 2024
=> Le programme : https://t.co/ozJxXfdvvk pic.twitter.com/rNClrTySzV
ジャンヌ・ダルクが生きた「中世」の時代をイメージしたマルシェが開かれます。
革製品などの手工芸品、炭火を使った料理の屋台のほか、中世の音楽やダンスのパフォーマンスも行われます。
参加型のイベントもあり、家族連れも楽しめる内容です。
プロジェクション・マッピング
パレードの後、ランスのプロジェクション・マッピング「Regalia(レガリア)」が、サンレミ聖堂とノートルダム大聖堂で行われます。
- 5月25日(土)22時 サンレミ聖堂
- 5月25日(土)23時 ノートルダム大聖堂
ジャンヌ・ダルクとランスの街
ジャンヌ・ダルクの経歴
ジャンヌ・ダルク(1412-1431)の生涯は短く、歴史の表舞台に立ったのは、たった2年ほどの間のことです。
中世の時代、百年戦争(1337-1453)の真っ只中に生きたジャンヌ・ダルクの経歴年表は次のとおりです。
1412年 | フランス・ロレーヌ地方の小さな村、Domrémy(ドンレミ)で生まれる。 |
1425年 | 約13歳の頃、神の声を聞いたと主張し始める。 |
1428年 | オルレアン包囲戦が始まる。ジャンヌはフランス王太子シャルル(後のシャルル7世)に会う決意をする。 |
1429年2月 | シャルル王太子と面会し、神の使命を伝える。彼の支持を得る。 |
1429年4月 | シャルルから軍隊の指揮を任され、オルレアンへ向かう。 |
1429年5月 | オルレアン包囲戦で勝利を収め、街を解放する。 |
1429年6月 | ル・マン、ジャンヴィル、トロワなどを解放し、シャルルの戴冠式のための道を切り開く。 |
1429年7月 | ランスに到着する。 |
1429年7月17日 | ランス大聖堂でシャルル7世の戴冠式が行われ、ジャンヌはその場に立ち会う。 |
1430年5月 | コンピエーニュでブルゴーニュ軍に捕らえられる。 |
1431年1月 | ルーアンに移送され、異端審問が始まる。 |
1431年5月29日 | 異端の罪で有罪判決を受ける。 |
1431年5月30日 | ルーアンで火刑に処される。 |
1456年 | ローマ教皇庁によって再審が行われ、無罪が証明される。 |
1920年 | カトリック教会により聖人に列せられる。 |
ジャンヌ・ダルクとランスの街
ジャンヌ・ダルクとランスの街の関係は、ジャンヌ・ダルクがランスを訪れ、ノートルダム大聖堂でシャルル7世即位の戴冠式を実現させたことです。
1429年7月17日、ランス・ノートルダム大聖堂で戴冠式が執り行われ、フランス国王・シャルル7世として即位しました。
シャルル7世が聖油で聖別され王冠を授かると、ジャンヌ・ダルクはその足元にひざまずいて「高貴なる王よ、今こそ神の望みが成就しました。神は私にオルレアンの包囲を解き、あなたをランスへ導いてこの聖なる戴冠を受けさせ、本当の王であることを示すよう命じられたのです」と述べたと言われています。
パリ・ルーヴル美術館に行きました。モナリザや彫像は素晴らしいけれども、シャンパーニュ関連の展示も気になります。
— LaLaLaChampagne🍾 (@lalalachampagne) March 8, 2022
この絵は「シャルル7世戴冠式におけるジャンヌダルク」。その舞台は、ランス大聖堂です。#Reims #CathedraledeReims pic.twitter.com/9W2I2U1STB
ジャンヌ・ダルクの人生で、いちばん晴れやかな場面の舞台がランスかもしれません。
歴史好きにおすすめ「コテンラジオ」
#COTENRADIO の新エピソードが配信されました!
— 株式会社COTEN 🪽 ジャンヌダルク配信は5/13(月)から (@CotenInc) May 12, 2024
翔べ!ジャンヌ・ダルク 〜戦地を舞う女性騎士の一生〜【50-1 COTEN RADIO ジャンヌ・ダルク編1】
🔴 Youtubeで視聴する
→https://t.co/MLMrMTHyr4
🟢 Spotify公式プレイリスト
→https://t.co/4a6IU8p7oY
ジャンヌ・ダルクについて詳しく知りたい方や歴史好きな方には、ポッドキャストの人気番組「コテンラジオ」をおすすめします。
歴史を楽しくわかりやすく語るコテンラジオに「ジャンヌ・ダルク」をテーマにしたシリーズがあります。
「神からお告げを受けて、フランスを救った」って(一体どういうこと!?)と思いますよね。コテンラジオは、その疑問に答えてくれる解説で(そういうことだったのね!)と理解が深まります。
コテンラジオ【ジャンヌ・ダルク編】 ※ 各種配信メディアで聴取できます。
コテンラジオ内でも参考文献として紹介されている本『少女は、なぜフランスを救えたのか』(池上 俊一著、NHK出版)もおすすめです。
ジャンヌ・ダルクの生涯や時代背景がわかりやすく解説されています。
まとめ
- シャンパーニュ地方ランスの「ジャンヌ・ダルク祭り」は毎年開催
- シャルル7世即位の戴冠式をランス大聖堂で実現した功績を称える祭り
- 主な会場は、ノートルダム大聖堂とサンレミ大聖堂の周辺
- いちばんの見どころは「パレード」
ランス・ノートル・ダム大聖堂について、別記事で詳しく紹介しています。
「ランス観光1日モデルコース」(2コース)を用意しています。
ランス旅行を考えている方はぜひ活用してください。
コメント