世界遺産「ランス大聖堂」は、「ゴシック建築の傑作」としての芸術的価値のみならず、「歴代フランス国王の戴冠式の舞台」としてフランス史における要所でもあります。
シャンパーニュ地方在住10年超の筆者が、ランス大聖堂を見学する際の10の豆知識をお伝えします。
特に4〜8は、ランス大聖堂を観光する上での見どころです。
少しの予備知識があるだけで、実際に訪問した時の理解度・満足度はぐっと上がるはず。
また、ランス大聖堂のツアー、ランス大聖堂をさらに満喫できるホテルやレストランも併せて紹介します。
\ ツアー開始24時間前までキャンセル無料 /
世界遺産「ノートルダム大聖堂」
ランスのノートルダム大聖堂は、1991年にユネスコ世界文化遺産登録されています。
ランスのノートル-ダム大聖堂、サン-レミ旧大修道院及びトー宮殿(1991年登録)
年間150万人の観光客が訪れる、ランスのランドマークです。
ランス市には、ランス大聖堂とサンレミ聖堂の眺めを遮るような高い建物を建築してはいけないという条例があり、ランス市街では、どこにいてもランス大聖堂の尖塔を見ることができます。
Cathédrale Notre-Dame de Reims(ランス・ノートルダム大聖堂)
- 住所:Place du Cardinal Luçon, 51100 Reims
- 入場無料
- 見学可能時間:
- 月~土曜 7時30分~19時30分
- 日曜・祝日7時30分~19時15分(※日曜12時までは、見学者は拝廊(教会入口付近のロビー)のみアクセス可)
- 12月25日&1月1日 9時00分~12時30分 14時30分~19時15分
- 閉館時間15分前から入場不可。
朝7時半からノンストップで開いているので、予定を組みやすいと思います。ゆったりと見学したい方は、観光客が少ない朝早めの時間または夕方がおすすめです。
大聖堂について知りたい10のこと
フランス3大大聖堂のひとつ
ランス大聖堂は、フランス3大大聖堂のひとつです。
- シャルトル大聖堂
- ランス大聖堂
- アミアン大聖堂
シャルトル・ノートルダム大聖堂
アミアン・ノートルダム大聖堂
ランス大聖堂は、フランスにあるゴシック建築の傑作のひとつで、「ゴシックの女王」の異名もあります。
現在の大聖堂は3代目の建物
現在の建物は、同じ場所に建てられた3代目の大聖堂です。
400年頃 | 1代目聖ニケーズ大聖堂: ・400 年頃、ギリシャ出身のニケーズ司教は、聖母マリアに捧げられた大聖堂を建設するために、現在の場所を選んだ。 ・この大聖堂の前には洗礼堂があり、498/499年にクロヴィス王が聖レミ司教から洗礼を受けた。 |
817年頃 | 2代目エヴォンとヒンクマールの大聖堂: ・9 世紀、エボン大司教とヒンクマール大司教は、国王の戴冠式を開催するのにふさわしい大聖堂を再建した。 ・1027年、ランス大司教たちは聖アンプルの所有を頼りに、ランス大聖堂を戴冠式の大聖堂として認めさせることに成功した。この日から、ルイ 6 世とアンリ 4 世を除くすべての王がランスで戴冠式を行うことになる。 ・この2番目の大聖堂は、12 世紀にサムソン大司教によって拡張された。 →1210年5月6日、市の大部分が焼失した火災により全焼。 |
1211年 | 3代目13世紀の大聖堂: ・1211年、オーブリ・ド・ハンベール大司教は現在の大聖堂の最初の石を置いた(=再建開始)。 ・13 世紀末に身廊と屋根が完成、正面は王のギャラリー席の階まで建設された。 ・1481 年の火災で屋根の一部が焼失した。 ・屋根と塔は再建される予定だが、この修復には多額の費用がかかるため、塔の上と交差廊の交差点に計画されていた尖塔は決して建設されないだろう。 →1914〜1918年 第一次世界大戦中、300発以上の砲弾を浴びて壊滅状態になる。 |
2019年火災があったパリ・ノートルダム大聖堂の再建にも、ランス大聖堂を再建した時のノウハウが活かされているそうです。
歴代フランス国王戴冠式の舞台
上の絵は「1825年5月29日ランス、シャルル10世の戴冠式」(Sacre de Charles X, à Reims, 29 mai 1825, Musée National du Château de Versailles, huile sur toile, GERARD, Baron François)。
ランス市のキャッチコピーは「Ville des Sacres(戴冠式の街)」。
498年(または496年、499年。諸説あり)のクリスマスの日、ランス司教レミにより、フランス王国の初代国王クローヴィスが洗礼を受けてローマ・カトリックに改宗、その洗礼は現在ランス大聖堂がある洗礼堂で行われました。
上絵画は、”The Baptism of Clovis(クローヴィスの洗礼)”, National Gallery of Art, Washington
「クローヴィスの洗礼」は、フランス史だけではなくヨーロッパ史においても重要な出来事。その舞台が、ランスだったというわけです。
以降、33人のフランス国王がランス大聖堂で戴冠式を行いました。
戴冠式が行われた年 | フランス国王 |
816 | ルイ1世(ルートヴィヒ1世 (フランク王)) |
893 | シャルル3世 (西フランク王) |
922 | ロベール1世 (西フランク王) |
954 | ロテール (西フランク王) |
1027 | アンリ1世 ※アンリ1世から、ランス大聖堂は戴冠式の大聖堂となった。 |
1059 | フィリップ1世 |
1131 | ルイ7世 |
1179 | フィリップ2世(尊厳王) |
1223 | ルイ8世(獅子王) |
1226 | ルイ9世(聖王ルイ) |
1271 | フィリップ3世(大胆王) |
1286 | フィリップ4世(端麗王) |
1315 | ルイ10世(強情王または喧嘩王) |
1317 | フィリップ5世(長躯王) |
1322 | シャルル4世(端麗王・禿頭王) |
1328 | フィリップ6世 |
1350 | ジャン2世(善良王) |
1364 | シャルル5世(賢明王) |
1380 | シャルル6世(親愛王または狂気王) |
1429 | シャルル7世(勝利王) |
1461 | ルイ11世(慎重王) |
1484 | シャルル8世(温厚王) |
1498 | ルイ12世 |
1515 | フランソワ1世(フランス・ルネサンスの父・騎士王) |
1547 | アンリ2世 |
1559 | フランソワ2世 |
1561 | シャルル9世 |
1575 | アンリ3世 |
1610 | ルイ13世 |
1654 | ルイ14世(太陽王) |
1722 | ルイ15世(最愛王) |
1775 | ルイ16世 |
1825 | シャルル10世 |
上の絵は、「戴冠式の衣装を纏ったルイ14世の肖像画」(Portrait de Louis XIV en costume de sacre, Musée du Louvre, huile sur toile, Hyacinthe Rigaud, 1701)。
なお、日本人画家・藤田嗣治も1959年にランス大聖堂で洗礼を受けています。
2つのジャンヌ・ダルク像
ジャンヌ・ダルクは、百年戦争・オルレアンの戦いで窮地だったフランス軍を勝利へと導いた国民的英雄です。
パリ・ルーヴル美術館に行きました。モナリザや彫像は素晴らしいけれども、シャンパーニュ関連の展示も気になります。
— LaLaLaChampagne🍾 (@lalalachampagne) March 8, 2022
この絵は「シャルル7世戴冠式におけるジャンヌダルク」。その舞台は、ランス大聖堂です。#Reims #CathedraledeReims pic.twitter.com/9W2I2U1STB
オルレアンを解放したジャンヌ・ダルクと一緒にランスに赴いたシャルル7世は、1429年7月17日にランス大聖堂で戴冠式を行い、正式にフランス国王として即位しました。
ランス大聖堂には、ジャンヌ・ダルク像が2つあります。
大聖堂前のジャンヌ・ダルクの銅像
ランス大聖堂の外、広場の一角にある「ジャンヌ・ダルクの騎馬像」です。
大聖堂内のジャンヌ・ダルク像
もう1つのジャンヌ・ダルクは、ランス大聖堂の内部にある像です。
毎年ランスで開催「ジャンヌ・ダルク祭り」
ランスの街では、毎年「ジャンヌ・ダルク祭り」を開催。
ランス大聖堂を中心に、騎馬に跨ったジャンヌ・ダルクや中世の衣装を纏った人々が練り歩くパレードのほか、大道芸、マルシェなどが行われ、ランス住民・観光客で賑わうイベントです。
微笑みの天使
ランス大聖堂には大小合計2303体の彫像がありますが、いちばん有名な彫像は「L’Ange au Sourire(微笑みの天使)」です。
微笑みの天使像は、ランス大聖堂の正面に3つある扉のうち、いちばん左の扉の脇にあります。
微笑みを浮かべる彫像はとても珍しいですが、有名になった理由はそれだけではありません。
それまで知られていなかった13世紀の作品は、歴史になった。(第一次世界大戦中の)1914年9月19日、ランス大聖堂の火災で天使の首は切られた(折れた)。切られた首と首のない像は、敵(=ドイツ)による大聖堂の破壊「ランスの重罪」に対抗するフランスの激しいプロパガンダの支柱の役割を果たした。(中略)天使は、1915 年 11 月に「ランスの微笑」と名付けられた。この名声は、ランスの再建に伴う1920 年代の復興とともに続いた:フランスは再び笑顔を取り戻した!現在もランスで最も多用されるアイデンティティと観光のシンボルであり続けている。政治的、商業的、観光的、芸術的な活用が、1915年以来、数多くの商品を生み出している。
引用:TOURS DE LA CATHÉDRALE DE REIMS”L’Ange au Sourire” を筆者が和訳
ランスの絵葉書やお土産にも「微笑みの天使」の写真・イラストは、よく使用されています。
長くて高い「大きな建物」
ランス大聖堂の全長は149 mあり、フランスのノートルダム大聖堂で一番の奥行きを誇ります。
広い身廊(しんろう。教会内部の入り口から祭壇までの間)が特徴で、国王の戴冠式の参列者を収容するために設計されています。
ランス・ノートルダム大聖堂 | 参考:パリ・ノートルダム大聖堂 | |
全長 | 149,17 m | 130 m |
身廊の高さ | 38 m | 33 m |
尖頭までの高さ | 81,50 m | 69 m |
ランス大聖堂は、「広さ」だけではなく「高さ」もあり、大きいノートルダム大聖堂です。
建築・彫刻の素晴らしさもさることながら、数あるノートルダム大聖堂の中でも、ランス大聖堂は「大きな建物」であることも特徴です。
バラ窓
ゴシック建築の特徴である「バラ窓」。
ランス大聖堂には、ステンドグラスで彩られたバラ窓が4つあります。
2つのステンドグラス(西側の大窓・北側)は13世紀のもので、他2つ(西側の小窓・南側)は、第一次世界大戦で壊れてしまったため、1937年に新たに設置されたものです。
西側の大きなバラ窓
西側(大聖堂正面側)の大きなバラ窓「被昇天」:
- 直径:12,5m
- 円の中心:聖母の眠り
- 第1花冠(中心の聖母を囲む花びら):12使途
- 第 2 花冠: 音楽家の天使 19 人、セラフィム 3 人、繁栄の天使 2 人。
- 第 3 花冠:キリストの先祖である預言者と王。
- バラ窓上の四つ葉:太陽と月に伴い、母マリアの魂を腕に抱いているキリスト
- バラ窓下の四つ葉:香炉を持つ天使
西側の小さなバラ窓
西側(大聖堂正面側)の小さなバラ窓:「聖母の連祷」
- 1937 年に設置。ステンドガラス職人ジャック シモン氏の作品。
- マリアとキリストは、聖母の連祷の寓話を表現する24個のメダイヨン(円形の絵)に囲まれている
- アーチの頂:罪人の避難所となる仲介者聖母マリア
ジャック・シモン(Jacques Simon, 1890-1974):
- ランス生まれ、画家・ステンドガラス職人
- 1640年から続くステンドガラス職人の家系
ジャック・シモン氏亡き後も「アトリエ・シモン・マルク(Atelier Simon-Marq)」として、ステンドグラス職人の家系は続いています。
数年前に日本のテレビ番組(「NHKフランス語講座」だったような…)で紹介されたことがあるそうです。
ランスのノートルダム大聖堂やサンレミ聖堂、カーネギー図書館のほか、シャンパーニュ生産者のメゾン・施設(カナル・デュ・シェーヌ、ヴィラ・ドゥモワゼル)のステンドグラスの製作・修復も手がけています。
南側のバラ窓
南側の交差廊(トランセプト)のバラ窓「キリストの復活」:
- 直径9,65m
- 13 世紀のステンドグラスの窓は、1580 年のハリケーンで破壊された。ステンドグラスは交換されたものの、第一次世界大戦中、1917 年の爆撃で完全に吹き飛ばされた。
- バラ窓の網目模様は、北翼廊のバラ窓と同じである。
- 現在のステンドグラスは、1937年にステンドグラス職人のジャック・シモン氏によって製作されたもので、(1580年のハリケーンで壊れたステンドグラスを、1581年に新たに創作した)ニコラ・デロデ氏のデザインを尊重している。
- 中央:赤いマントを着たキリストが傷を見せている。
- その周囲を受難の道具を持った天使の列、使徒たち
- 上部のスパンドレル:聖母に戴冠するキリスト
- 大聖堂の建築家とステンドグラス職人への敬意として、そのうちの4人の顔が、4人の使徒の顔として描かれています。
北側のバラ窓
北側の交差廊(トランセプト)のバラ窓「天地創造」
※大聖堂の正面扉から入り、祭壇に向かって左側が「北側」。
- 直径9,65m
- 中心:太陽と月に囲まれた創造神
- 第1花冠:楽園のアダムとイブ、原罪後のカインとアベルの物語
- 第2花冠:経典を運ぶ 3 人の天使と天地創造の動物
- 上部のスパンドレル:2人の天使に囲まれて、子どもに授乳する聖母
ステンドグラス
この項で紹介するステンドグラスは、1954〜2015年に設置されたものです。
ランス大聖堂のステンドグラスの大半は、第一次世界大戦中の砲撃で壊れてしまったため、現代に製作されたものだからです。
シャガール作ステンドグラス
マルク・シャガール作ステンドグラス:
- 軸礼拝堂(祭壇の後ろ)の3つのステンドグラス窓は、シャルル・マルク氏の協力を得て、マルク・シャガールが1974年に制作した。
- 左の窓:「エッサイの木」のテーマが扱われている。
- 中央の窓:「イサクの犠牲」はキリストの犠牲の象徴であり、キリストが十字架にかけられた場面と意図的に斜めの線でつながっている。
- 右の窓:「クロヴィスの洗礼」「聖ルイの戴冠式」「シャルル 7 世の戴冠式」など大聖堂の歴史における重要な出来事が描かれている。
マルク・シャガール(Marc Chagall、1887-1985):
- ロシア生まれ、第一次世界大戦やロシア革命の混乱から逃れるため、1910年代初頭にフランスに移住。
- ユダヤ教徒の家庭に生まれ、作品にはユダヤの伝統、ロシアの風景、宗教的なテーマがよく登場する。
- 代表作として、パリ・オペラ座の天井画、ニューヨーク・メトロポリタン美術館のステンドグラスなどがある。
シャルル・マルク(Charles Marq、1923-2006):
- 画家、彫刻家
- 妻ブリジットは、ステンドガラスの巨匠ジャック・シモン氏の娘
- ブリジットと共に「アトリエ・シモン・マルク(Atelier Simon-Marq)」の責任者となる
- ステンドグラスの修復だけではなく、創作も手がける
- 数々の有名芸術家の作品をステンドグラスに仕立てる中で、特にシャガールは、アトリエ・シモン・マルクにしかステンドグラス作品を任せなかった
ランス大聖堂といえば、シャガールの青いステンドグラスを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。ところが、設置された当時は、デザインが「現代的過ぎる」と否定的な意見もあったのだとか。優しい雰囲気を醸すステンドグラスは必見です。
「シャンパーニュ」のステンドグラス
南側の交差廊(トランセプト)の窓 「シャンパーニュのステンドグラス」
- 高さ10mある3つのステンドグラスは、1954年に設置された。
- ステンドグラスの巨匠、ジャック・シモン氏は、中世ギルドのステンドグラスの窓から着想を得て、ヴィニュロン・メゾンの仕事や村と、守護聖人や聖書の場面の表現を組み合わせた。
- ステンドグラスは、ヴィニュロン(葡萄栽培者)の聖人サン・ヴァンサンと、ワイン商の聖人サン・ジャン・バティストの周りに、シャンパーニュ地方のワインを作るための異なる行程を表現している。
- 左窓:聖人サン・ヴァンサンのもとで、ブドウ栽培農家がブドウ畑で忙しく働いている
- 中央窓:ブドウ収穫の様子と、ワイン造りに必要な道具が描かれている
- 右窓:オーヴィレ村のドン・ペリニョンと、ワイン商の聖人サン・ジャン・バティストの周りでワイン造りの作業が行われている様子
- 左・右窓:アーチを象るように、シャンパーニュを生産する44の村の教会が描かれている
- アーチ上部:約束の地のブドウ、神秘的な圧搾機、カナの結婚式
シャンパーニュ好きならずとも、楽しめると思います。シャガールのステンドグラスに夢中なのか見落としている方も多いので、お見逃しなく。
ドイツ人作家によるステンドグラス
軸礼拝堂両側の礼拝堂の窓「イミ・クネーベル作ステンドグラス」:
- 2008年、文化省はイミ・クネーベル氏に、軸礼拝堂(祭壇後ろ)の両側にある礼拝堂用のステンドグラス窓の製作を依頼した。
- 2011年、ランス大聖堂の800周年(※現在の大聖堂の建築が始まった1211年から起算)を祝って、ステンドグラスは設置された。
- 「大聖堂の本来の色彩言語に戻り、古いものと新しいものの調和を生み出すことが適切です。色彩は品質、重量、バランスをもたらします」(イミ・クネーベル氏)
- 4 年後の 2015 年、同氏が製作した 3 つの新しいステンド グラス窓が、ジャンヌ・ダルク礼拝堂用にドイツから寄贈された。
イミ・クネーベル(Imi Knoebel、本名Klaus Wolf Knoebel、1940年生まれ):
- ドイツの現代美術家、ミニマリストの絵画や彫刻で知られている。
地元名工のステンドグラス
南・北の交差廊(トランセプト)の窓「清流」
- 南の交差廊に、ブリジット・シモン・マルク氏は1961年に「Eau vive(湧水、清流)」と題された抽象的なステンドグラスを制作、洗礼盤の上に設置した。
- 1971年と1981年には、横断廊の北側と南側に他のグリザイユが配置された。
- 交差廊の南側・北側の高窓のグリザイユ(※)は、13世紀のもの。
教会の窓に入っている絵画の様なステンドグラスは、 人物の表情や服の陰影など細かなところは、「グリザイユ」というステンドグラス用の 顔料の様なもので絵付けしてあります。
引用:野口ステンドグラス公式サイト「ステンドグラスとは」
ブリジット・シモン・マルク(Brigitte Simon-Marq, 1926-2009):
- ランス生まれ、画家・ステンドガラス職人
- 1640年から続く、ステンドガラス職人の家系
- (前出)ジャック・シモン氏の娘。
- 夫はシャルル・マルク、工房「アトリエ・シモン・マルク」の共同責任者だった
裏庭
ランス大聖堂の正面と内部が注目されがちですが、側部も裏側も見事な彫刻・建築が続いています。
大聖堂裏は公園になっており、ランス市民の憩いの場。
隣接するトー宮殿もよく見えます。
ランス大聖堂は正面だけでなく角度を変えて見ることをおすすめします。大聖堂裏の通りには、テラス付きのレストランが並び、昼食・夕食時は特に賑わいます。また通り沿いは駐車可能。車でお越しの方には便利です。
巡礼路
ランスは、世界3大巡礼路(エルサレム、サンティアゴ・デ・コンポステーラ、ローマ)のうちの2つ、
- サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路(La Via campaniensis)
- ローマ巡礼路(La Via Francigena)
の行程にあります。
地元ランスの巡礼愛好クラブのメンバーが、ランス大聖堂内で巡礼者を出迎え、巡礼者のパスポートに当たる「クレデンシャル」にスタンプを押してくれます。
サンティアゴ・デ・コンポステーラへ至る巡礼路はヨーロッパに数多くありますが、ランスを通るルートもあります。地元の巡礼愛好クラブのメンバーが、ランス大聖堂内で巡礼者の出迎え、特製クレデンシャル(行程でスタンプを押す、巡礼者にとってのパスポート)を販売しています。 pic.twitter.com/xMVHVEYBoI
— LaLaLaChampagne🍾 (@lalalachampagne) March 19, 2024
ランス大聖堂周辺で、ホタテの貝殻をつけた大きなリュックサックを背負った人や、時には馬を連れた人を見かけることがあります。こうした人たちは巡礼者。ランス大聖堂には、巡礼の要所としての顔もあります。
巡礼愛好クラブによる巡礼者の出迎え
場所:ランス・ノートルダム大聖堂内
日時:3月中旬〜10月15日、通常毎日14〜17時
プロジェクション・マッピング
ランス大聖堂のプロジェクション・マッピングは例年、夏(観光シーズン。2024年は5月予定)と冬(クリスマスマーケットの頃)に開催しています。毎回、本当に素晴らしいので、開催時期にランスを訪問する予定がある方は、お見逃しなく!
Regalia, spectacle multimédia(レガリア、マルチメディアショー)
場所:Cathédrale Notre-Dame de Reims, Place du Cardinal Luçon, 51100 Reims
日時:2024年5月から(※2024年3月現在、詳細な日時は未発表)
ランス大聖堂ガイド付ツアー
ランス大聖堂では、公認ガイド付きの有料ツアー(英語)があります。
歴史、建築、彫像、ステンドグラスなど、ガイドがランス大聖堂の魅力を語ってくれます。
ランスのノートルダム大聖堂のガイド付きツアー
- 料金:9€ / 人
- 所要時間:90分
- 集合・解散場所:Office de Tourisme de Reims, 6 Rue Rockefeller, 51100 Reims
\ 24時間前まで無料キャンセル可 /
大聖堂目の前のホテル&レストラン
ランス大聖堂の景色を楽しめるホテルとレストラン2軒を紹介します。
ホテル:La Caserne Chanzy
全室からランス大聖堂の眺めを約束する5ツ星ホテル。夜のライトアップされた荘厳な姿も、朝日を浴びた清々しい姿も。大聖堂の違う表情を部屋の窓から見ることができます。
併設のレストラン「La Grande Georgette」もおすすめです。
La Caserne Chanzy(ラ・カゼルヌ・シャンジー)
住所:18, rue Tronsson Ducoudray 51100 Reims
\ 日本語で確認・予約する /
レストラン:La Grande Georgette
シックなテラス席は、ランス大聖堂を望む絶好の場所。食事を摂らずとも、シャンパーニュやカフェを1杯飲みながらくつろぐこともできます。
La Grande Georgette(ラ・グランド・ジョルジェット)
18, rue Tronsson Ducoudray 51100 Reims
(※ホテル・La Caserne Chanzy(ラ・カゼルヌ・シャンジー)内)
\ コード入力&初回予約で25€分ポイントもらえる! /
アプリ(またはサイト)で予約時、code欄 に 82BEE77F をコピぺしてください。
レストラン:Gabrielle
個人的に未訪問ですが、大聖堂の眺めが良いことで人気のお店です。下から見上げるのとは違う、迫力ある大聖堂の姿を楽しむことができるはず。
まとめ
- 世界遺産「ランス・ノートルダム大聖堂」は、ランスの街のランドマーク。
- フランス3大大聖堂のひとつで、ゴシック建築の傑作
- ジャンヌ・ダルク、微笑みの天使、バラ窓、ステンドグラスなど、見どころが多い
- 夏・冬に、大聖堂にプロジェクション・マッピングが映し出される
- 公認ガイドによる有料ツアー(英語)がある
- 大聖堂の眺めが楽しめるホテル・レストランがある
\ 24時間前まで無料キャンセル可 /
ランス観光の見どころは別記事で詳しく紹介しています。
「ランスをどう巡れば良いかわからない」と言う方は、「ランス観光1日モデルコース」を参考にしてください。
コメント
コメント一覧 (2件)
こんにちは。初めてコメントさせていただきます。
21日からフランスパリに滞在し、25.26日とシャンパーニュ地方を訪れる予定です。このサイトはとても有効で、ワイナリーやレストランの参考にさせてもらっています。
一つ質問なのですが、ランスの地域はクレジットカードがメインで使用できますでしょうか。現金をどのくらい持っていくか悩んでおります。
今後も素敵な記事を待っています!よろしくお願いします!
こんにちは。
パリもランスもクレジットカード(VisaまたはMaster)があれば、あまり困ることはないでしょう。
1、2€程度の少額の買い物の場合、カード払いを受けつけないことはあります。
どれだけの現金があれば良いかは、その人の行動によるので何とも言えません。
例えば、フランスの人は10€、20€程度の現金しか持ち歩いていないことも多いです。
100-200€程度を10・20€紙幣を中心に両替して、
いざという時のために、ご利用のクレジットカードを使った現金引出方法・条件を予め確認しておくと良いかもしれません。
ご参考にして頂ければ幸いです。