ヨーロッパの冬の風物詩「クリスマスマーケット」、フランスでは「マルシェ・ド・ノエル」と呼ばれます。
アルザス地方のストラスブルグとコルマールが特に有名ですが、その2つの街に次いで、フランスで3番目に大きな規模を誇るのが、ランスのマルシェ・ド・ノエルです。
「シャレ」と呼ばれる山小屋風の建物が150軒も並びます。
マルシェ・ド・ノエル定番のヴァン・ショー(ホットワイン)などを提供する飲食店はもちろん、シャンパーニュ生産者による特設シャンパーニュ・バー、日本人選手の活躍で注目を集める地元サッカーチーム「スタッド・ランス」、地元銘菓「ビスキュイ・ローズ(ピンク・ビスケット)」など、ランスならではの小屋も見逃せません。
パリから日帰り旅行も可能なランスのマルシェ・ド・ノエルについて、最新情報とともに、できる限り詳しく紹介します。
パリから近い、ランスのクリスマス市
毎年12月、ヨーロッパの各地でクリスマスマーケットが開かれます。
通常、イエス・キリストの誕生を待つ期間である「アドベント(待降節、降臨節)」の4週間に行われます。
アドベントと言われてもすぐにピンと来ないかもしれませんが、毎日ひとつずつ小窓を開けてお菓子を取り出すアドベント・カレンダーに記載されいてる期間(12月1日~24日(25日))です。
フランス語では、クリスマスマーケットを「マルシェ・ド・ノエル(Marché de Noël)」と言います。
フランス第3位の規模を誇るマルシェ
フランスのあちこちの街で、マルシェ・ド・ノエルは開かれていますが、特に有名なのはアルザス地方です。
アルザス地方ストラスブルグ(Strasbourg)とコルマール(Colmar)の2つの街に次いで、フランス第3位の規模を誇るのが、ランスのマルシェ・ド・ノエルです。
マルシェ・ド・ノエルの規模は何で測るのかと言えば、「シャレ(Chalet)」と呼ばれる山小屋風の屋台の「出店の数」で決まるようです。
2023年ランスは、150軒の出店数を予定しています。
ランスのマルシェ・ド・ノエルは、1996年に地元商店組合の手により、デルロン広場を会場に初めて行われました。
2018年にノートル・ダム大聖堂の前に会場を移しましたが、2022年からランス駅前からマルス門へと続く散歩道Hautes promeandes Jean Louis Schneiterで開催しています。
マルシェ定番のシャレ(屋台)
焼きそば、たこ焼きなど、日本の縁日に定番の屋台があるように、フランスのマルシェ・ド・ノエルにも定番のシャレがあります。
もちろん、ランスのマルシェ・ド・ノエルにも、定番のシャレは並んでいます。
飲食店
子どもから大人まで、たくさんの人で賑わうのは食べ物・飲み物を販売するシャレです。
寒いので、あたたかいメニューが多く、人気もあります。
- ヴァン・ショー(ホットワイン)
- マロン・ショー(焼き栗)
- ゴーフル
- クレープ
- チュロス
- タルティフレット
- ラクレットなど溶かしたチーズを使ったサンドイッチ
ドイツのクリスマスマーケットは、お酒がすすみそうな「塩気のあるメニュー」もありますが、フランスのマルシェ・ド・ノエルはクレープやゴーフルなど「甘いお菓子」が多めです。
クリスマスらしい商品の販売店
マルシェ・ド・ノエル=クリスマス市ですから、クリスマスに関わる商品の屋台もあります。
買わずとも、ヨーロッパ、フランスのクリスマスの雰囲気を感じさせてくれる次のようなお店が並びます。
- クリスマス・オーナメント
- キャンドル
- サントン人形
- パン・デピス
- フォワ・グラ
クリスマスの季節らしい「パン・デピス」のシャレ。直訳すると「香辛料のパン」。その名の通り、シナモン、グローブ、アニス等スパイスのスパイスのほか、ハチミツ🍯がたっぷりと使われており、大きさよりもずしりと重たいお菓子です。#marchedenoel #reims pic.twitter.com/alyIdPUxAT
— LaLaLaChampagne🍾 (@lalalachampagne) December 12, 2023
フランス各地の名産品
シャンパーニュ地方以外のフランスの名産品の屋台もあります。
生産者直売の屋台も多く、味見をさせてくれることもあります。
- チーズ
- シャルキュトリー(ハム・ソーセージ・サラミなど豚肉加工品)
職人・芸術家による工芸品
時には「このなものまで?」と思うような、職人やアーティストによる衣服や工芸品を販売する屋台もあります。
- 衣服
- 革製品
- ランプ
ランスならではのシャレ(屋台)
ランスのマルシェ・ド・ノエルならではのシャレ(屋台)もいくつかあります。
メゾン直営シャンパン・バー
ランスのマルシェ・ド・ノエルで忘れてならない存在は、なんといっても「シャンパーニュ」。
クリスマスと切っても切れない関係のシャンパーニュの産地ですから、地元ランスのマルシェ・ド・ノエルでも欠かせません。
シャレというよりは「特設テント」ですが、シャンパーニュ生産者によるシャンパーニュバーが会場内にオープンします。
ひときわ立派で、いい雰囲気のシャレは、ランソンのもの。屋内でシャンパーニュを楽しめます。#marchedenoel #reims #champagnelanson pic.twitter.com/YMzGsfcFcP
— LaLaLaChampagne🍾 (@lalalachampagne) December 12, 2023
ブランドカラーの青色が目を惹く、ベスラ・ド・ベルフォンのシャレ。小さなテラスでも、屋内でも1杯🥂🍾飲むことができます。#marchedenoel #reims #champagneBesseratdeBellefon pic.twitter.com/Bt18lJnMXn
— LaLaLaChampagne🍾 (@lalalachampagne) December 12, 2023
2022年に続き、2023年も、ランソン(Champagne Lanson)とベスラ・ド・ベルフォン(Besserat de bellefon)が出店。立派なシャレで、存在感があります。
地元銘菓ビスキュイ・ローズ
地元ランスの銘菓・フォシエ社製「ビスキュイ・ローズ」も、来場客から人気の高いシャレのひとつです。
ランス産マスタード&ビネガー
クリスマスのごちそうの味付けにも一役買いそうなクローヴィス社製「ランス産マスタード」「ランス産ワインビネガー」も販売されています。
スタッド・ランス公式ショップ
伊東純也と中村敬斗、両日本人選手が活躍(2023年10月現在)する、地元サッカーチーム「スタッド・ランス(Stade de Reims)」公式ショップのシャレもあります。
パリから日帰りできるランス
ランスのマルシェ・ド・ノエルは、パリからの日帰り旅行が可能なアクセスの良さも、日本人旅行者にとっては魅力的といえそうです。
マルシェ・ド・ノエルの開催期間中に、パリに来る予定がある方はランスまで足を運んでみてはいかがでしょうか。
\ SNCF 公式サイト(仏・英語) /
\ 日本語で検索できる /
【2024年】11月27日から開催予定
2024年6月時点でのランス市の発表によれば、2024年マルシェ・ド・ノエルの開催予定日は次のとおりです。
詳細なプログラムは、2024年6月時点でまだ発表されていません。
【過去】2023年マルシェ内容
ここでは、【過去】2023年度のマルシェ・ド・ノエルのプログラム内容を紹介します。
新たなイベントが追加されない限りは、大きな変更はないと思いますので、参考にしてください。
【過去】2023年度の開催日時
ランス市公式サイト掲載の情報を基に、「2023年マルシェ・ド・ノエル」の開催情報をまとめました。
【過去】ランス「2023年マルシェ・ド・ノエル」開催日時
会場:Hautes promeandes Jean Louis Schneiter ※ランス駅前の散歩道です。
開催日時:2023年11月24日(金)~12月24日(日)
- 月曜日 : 14~20時
- 火~木 : 11~21時
- 金曜日 : 11~22時
- 土曜日 : 10~22時
- 日曜日 : 10~20時
クリスマス・コーラス・コンサート開催日時:
- 12月10日(日)15時
- 12月16日(土)17時30分
- 12月23日(土)15時
※ランス市公式サイト(フランス語)には、さらに詳細な情報が掲載されています。また、公式プログラムのダウンロードも可能です。
プロジェクション・マッピング
音響と共に映像を建物に投影する「プロジェクション・マッピング」。
ランスでは、マルシェ・ド・ノエルの開催期間に、街が誇る2つの世界遺産、
- ノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Reims)
- サン・レミ聖堂(Basilique Saint-Remi)
で、プロジェクション・マッピング「Régalia(レガリア)」を行っています。
冬の夜、歴史的な建築に浮かび上がる光と音楽の演目は、一見の価値ありです。
プロジェクション・マッピング「Régalia(レガリア)」開催日時
開催期間:2023年11月23日(木)~2024年1月6日(土)
- ノートルダム大聖堂:金・土曜日、12月31日(日)20時
- サン・レミ大堂:木曜日20時
クリスマスツリー
ランス市街のクリスマスツリーは、デルロン広場(Place d’Erlon)にあります。
子ども向けイベント・施設
サンタクロースに会える小屋
サンタクロース🎅がいる時間。#marchedenoel #reims pic.twitter.com/B5jGUiaIhw
— LaLaLaChampagne🍾 (@lalalachampagne) December 12, 2023
サンタクロースが迎えてくれるシャレ(屋台、小屋)があります。
フランス語では、サンタクロースを「ペール・ノエル(Père Noël)」と言います。
一緒に写真を撮ることもできます。
サンタクロース滞在日時:
- 月、火、木、金 : 15~19時
- 水、土、日 : 11~13時 / 14~19時
大観覧車
ランスの中心、デルロン広場には大観覧車。奥には、広場のシンボル、有翼の勝利の女神像が見えます。#marchedenoel #reims pic.twitter.com/f3UWEOkgWK
— LaLaLaChampagne🍾 (@lalalachampagne) December 12, 2023
大観覧車
場所:Place d’Erlon ※ランス駅を出て、通りを渡ってすぐの歩行者専用広場。
営業日時:2023年11月18日(土)~2024年1月7日(日)10~22時
料金:子供6€、大人8€
移動遊園地
移動遊園地
場所:Chaussée Bocquaine ※地元サッカーチーム「スタッド・ランス」本拠地の「オーギュスト・ドローヌ・スタジアム」そば。ランス駅から徒歩25分・車5分離れた場所にあります。
営業期間:2023年12月9日(土)~2024年1月7日(日)
冬休み前(~12月22日(金))の営業時間:
- 月、火、木 : 17~20時
- 水、日 : 15~20時
- 金 : 17~24時
- 土 : 15~24時
冬休み期間中(12月23日(土)~)の営業時間:
- 月~木 : 15~20時
- 金、土 : 15~24時
- 日 : 15~23時
アクセス:
- 無料シャトルバス「NAVETTE DE NOËL(ナヴェット・ド・ノエル)」 (Cituraによる運行)
- 3停留所に停車 : Gare centre(ランス駅)、Stade Delaune(オーギュスト・ドローヌ・スタジアム)、Bocquaine(※移動遊園地はここで下車)
- 11月24日~12月24日:14時30分~(水・日21時まで、金・土22時30分まで)
- 12月25日~1月7日:14時30分~(月~木22時まで、金・土24時まで、日23時まで)
- 自家用車の場合の無料駐車場:Stade Delaune, Marchandeau.
まとめ
- ランスのマルシェ・ド・ノエルは、ストラスブルグ、コルマールに次いで、フランス第3位の規模を誇る
- パリから日帰りで楽しむことができることも、ランスのマルシェ・ド・ノエルの魅力
- ランスのマルシェ・ド・ノエルには、生産者によるシャンパーニュ・バーもある
- 2024年のランスのマルシェ・ド・ノエルは、11月27日(水)〜12月29日(日)開催予定
- 冬季限定のプロジェクション・マッピング(ノートル・ダム大聖堂&サンレミ大聖堂)は必見
ランスの一般的な観光情報は、下の記事をご覧ください。
シャンパーニュ地方の冬のイベントは、ランスだけではありません。
エペルネでは、毎年12月第2週の週末に「アビ・ド・リュミエール(Habits de Lumière)」が開催されます。
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