「クリコ・イエロー」と呼ばれる鮮やかな色のラベルが目印のシャンパーニュ「ヴーヴ・クリコ」。
ブランド名でもあるクリコ未亡人の人生を描いた映画『Widow Clicquot』が2024年7月にアメリカ・フランスで公開されました。
日本での公開は未定(2024年7月末時点)ですが、その内容をいち早く紹介します。
映画『Widow Clicquot』
映画『Widow Clicquot』は、小説『The Widow Clicquot』(Tilar J Mazzeo著)(邦題『シャンパーニュの帝国 ヴーヴ・クリコという女の物語』)に着想を得た伝記映画。
世界的に有名なシャンパーニュのブランド名であり、実在の人物でもある「ヴーヴ・クリコ(Veuve Clicquot)」の生涯を描いた物語です。
2024年7月19日アメリカ、7月31日フランスで公開されました。
日本での公開予定は未定です(2024年7月末時点)。
あらすじ
19世紀初め、夫を亡くし若くして未亡人となったバルブ・ニコル・クリコ・ポンザルダン。
ヴーヴ・クリコは、女性の社会的地位が低かった時代、義父のワイン事業の舵を取り、さまざまな批判に抵抗しながら、シャンパーニュ業界に革命を起こした。
困難を乗り越えながら、世界初の女性実業家のひとりとなった女性の生涯を描く。
トーマス・ナッパー監督作品
監督は、Thomas Napper(トーマス・ナッパー)氏。
1970年英国生まれ、ディズニー作品『アラジン』『メリー・ポピンズ・リターンズ』『美女と野獣』『イン・トゥ・ザ・ウッド』のセカンド・ユニット監督を務め、ドラマシリーズ『ホイール・オブ・タイム』製作者としても名を連ねています。
映画監督作品は『Jowbone』(2017年)。
ヘイリー・ベネット主演
クリコ未亡人役を演じるのは、米国俳優Haley Bennett(ヘイリー・ベネット)。
1987年米国生まれの女性俳優で、代表作は『ラブソングができるまで』、『イコライザー』、『マグニフィセント・セブン』、『Swallow/スワロウ』、『シラノ』など。
映画『Widow Clicquot』ロケ地
フランスの地元紙やワイン雑誌の情報をもとに、映画『Widow Clicquot』の撮影地をいくつか紹介します。
シャブリ「Château de Béru」
撮影の多くは、ブルゴーニュ地方シャブリ地区「Château de Béru(シャトー・ド・ベル)」で行われました。
400年超の歴史を持つシャトーの建物の前にはブドウ畑が広がっており、映画の中でも度々登場しています。
実際のシャトー・ド・ベルのワインは、女性醸造家がサンスーフル(亜硫酸無添加)が醸造、フランス国内外で高い評価を得ています。
シャンパーニュ地方ヴェルジー村
もちろん、シャンパーニュ地方でも撮影は行われました。
そのひとつが、ヴーヴ・クリコの重要なブドウ畑があり、モンターニュ・ド・ランスのグランクリュ「ヴェルジー村」です。
ランス「Science Po」校舎
パリ政治学院(通称シアンスポ)ランス校舎内で一部の撮影が行われました。
16世紀に建てられた歴史ある建物です。
過去にも、映画『王妃マルゴ』(Patrice Chéreau監督、1994年)のロケ地として採用されています。
ヴーヴ・クリコとシャンパーニュ
ヴーヴ・クリコの生涯
ヴーヴ・クリコの生涯を年表にまとめました。
1777 | シャンパーニュ地方ランスで紡績事業を営む家に生まれる。 |
1798 | フランソワ・クリコと結婚する。 |
1805 | 夫が病死。27歳の若さで未亡人となる。義父フィリップクリコが1772年に創業したワイン事業を継承する。 |
1810 | シャンパーニュ地方で初めてのヴィンテージ・シャンパーニュを造る。 |
1811 | 彗星が飛来した年で、ブドウの当たり年に「彗星のワイン(la cuvée Vin de la comète)」を発売する。 |
1814 | ロシア・サンクトペテルブルグに1811年ヴィンテージ約1万本を出荷、現地で好評となる。 |
1816 | 動瓶台(Pupitre)を発明する。瓶内に溜まった澱(おり)を瓶の首に集めて取り除くことができるようになり、ワインに「透明性」をもたらした。 |
1818 | 初めてブレンドのロゼ・シャンパーニュを造る。それまでニワトコの実から着色していたが、ブジー村産の赤ワインをブレンドすることでロゼ色を実現した。 |
1866 | エペルネ近郊にあるブルソー城で亡くなる。享年88歳。 |
女性の社会的地位が低かった時代、20代で会社経営者となったクリコ未亡人。
現在のシャンパーニュで当たり前とされているものを次々と発明しました。
- 初のヴィンテージ・シャンパーニュ
- 動瓶台(ルミュアージュ台)
- 赤ワインをブレンドする「ロゼ・シャンパーニュ」
クリコといえば「イエロー・ラベル」
ヴーヴ・クリコを象徴するシャンパーニュ「イエロー・ラベル」。
オレンジがかった独特なイエローは「クリコ・イエロー」と呼ばれています。
今日でも、人目を引く鮮やかな色のラベルは、1877年に既に商標登録をされています。
最上品「ラ・グランダム」
「偉大な女性」を意味する、La Grande Dame(ラ・グランダム)。
ヴーヴ・クリコへのオマージュが込められた、メゾンの最上級シャンパーニュです。
コルクの上の王冠には、ヴーヴ・クリコの肖像画がデザインされています。
ランスでは、セラー見学可能
もしランスに来る機会があれば、シャンパーニュ・ヴーヴ・クリコのセラーを見学できます(要予約)。
ヴーヴ・クリコの伝記映画『Widow Clicquot』
- 2024年7月に米・仏で公開された『Widow Clicquot』は、ヴーヴ・クリコの伝記映画
- 日本での公開は未定(2024年7月末時点)
- 英国監督トーマス・ナッパー作品
- 米女優ヘイリー・ベネットがクリコ未亡人を演じる
- 主なロケ地は、ブルゴーニュ地方シャブリ「シャトー・ド・ベル」
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