シャンパーニュ生産者で味わう、食とワインのペアリング体験

シャンパーニュ地方の観光で見逃せない、大手メゾンのセラー見学。

世界的に有名な大手シャンパーニュ生産者の華やかな社屋(メゾン)を訪ねて、シャンパーニュが貯蔵されている地下蔵(セラー)を見学した後に、シャンパーニュを試飲するーーこれが、一般的な観光向けのセラー見学です。

ところが最近、「食事」も提供するメゾンが続々と登場。

メゾンが提案する「シャンパーニュと料理のペアリング体験」がシャンパーニュ観光の新たなトレンドになりつつあります。

まだ、食事を提供する生産者は数えるほどしかありませんが、併設レストランを建設中の生産者がいくつもありますから、食事を提供する生産者は今後も増える傾向にありそうです。

シャンパーニュ生産者の社屋の優雅な雰囲気の中で、シャンパーニュと料理の組み合わせを楽しむ贅沢な体験は、忘れられない旅の思い出になるはずです。

シャンパーニュ地方エペルネ在住&シャンパーニュ生産者現職の筆者が、シャンパーニュ&料理を提供する生産者とプラン内容を紹介します。

目次

大手メゾンで「シャンパーニュ・ペアリング」体験

シャンパーニュの大手生産者の一般向けの観光といえば、セラー見学&シャンパーニュの試飲が一般的ですが、最近は「食事の提供」を含むプランを用意するメゾンが少しずつ増えています。

ワインと料理の組み合わせで美味しさの最大効果を引き出すことを「ペアリング(Pairing)」と呼びます。

ワインと料理の相性の良い組み合わせを、結婚を意味するフランス語「マリアージュ(mariage)」と呼ぶこともできますが、近年は「ペアリング」の方がよく使われている印象です。

一部の生産者がスタートした食事を含むプランは、メゾンが提案する「シャンパーニュ・ペアリング体験」といえます。

セラー見学、シャンパーニュ、食事が含まれる訳ですから費用は高価になりますが、歴史ある豪華なメゾンの雰囲気の中で味わう料理とシャンパーニュのペアリングは、忘れられない体験となるはずです。

大手メゾンが提供する食事プランを紹介します(※すべて2023年7月時点の費用・内容です)。

シャンパーニュ・ペリエ・ジュエ(エペルネ)

エレガントな世界観で、日本でも人気の高いシャンパーニュ生産者、ペリエ・ジュエ(Champagne Perrier Jouet)。

ペリエ・ジュエで特に有名なシャンパーニュが、エミール・ガレ作のアネモネの花が描かれた美しいボトル入りのプレステージ・キュヴェ「ベル・エポック(Belle Epoque)」です。

プレステージ・キュヴェの名前を冠した「メゾン・ベル・エポック(Maison Belle Epoque)」で、ランチ(火〜土曜、要予約)を楽しむことができます。

メゾン・ベル・エポックには、エミール・ガレ、ロートレック・トゥールーズ、ギマールなど、アール・デコの時代を代表する芸術家の貴重な作品の数々が飾られています。

セバスチャン・モレオン氏(左)とピエール・ガニェール氏

パリ・ミシュラン3ツ星店として有名な「ピエール・ガニェール(Pierre Gagnaire)」が協力、同店のセバスチャン・モレオン(Sébastien Morellon)氏がメゾン・ベル・エポックの専属シェフとして迎えられています。

「メゾン・ベル・エポックは、あまり手を加えすぎず、地元の食材を用いて、目に美しくシンプルで、それでいて繊細な料理を提供する」とシェフのモレオン氏は、ペリエ・ジュエ公式サイトのインタビューで語っています。

ペリエ・ジュエ公式サイト「2023年春のメニュー」によれば、コース料理は(前菜・魚料理・口直しの一皿・肉料理・デザート)の構成で、合わせるシャンパーニュは次の4種です。

  • Perrier Jouet Blanc de Blancs
  • Perrier Jouet Belle Epoque Blanc de Blancs 2012
  • Perrier Jouet Belle Epoque 2014
  • Perrier Jouet Belle Epoque Rosé 2013

ランチの予約は、ペリエ・ジュエに直接連絡する必要があります(電話・メール)。

ペリエ・ジュエ(Champagne Perrier Jouet)

La Maison Belle Epoque

https://www.perrier-jouet.com/fr-fr/nous-rendre-visite/la-maison

住所:11 Avenue de Champagne, Epernay

電話:+33 6 74 27 05 88

ランチ:火〜土曜、要予約

料金:1人350€ (税込)

アンリ・ジロー(アイ)

アンリ・ジロー(Champagne Henri-Giraud)の輸出相手国第1位は日本。

シャンパーニュ地方を旅行する日本人観光客の人気訪問先のひとつです。

重厚感のある味わいで、熱心なファンも多い生産者です。

アンリ・ジローでは、2つの食事付きプランを用意しています。

  • テーブル・エクスペリエンス(1人240€)
  • テーブル・エクスペリエンス・コレクション(1人495€)

両プランとも、食事とともに提供されるシャンパーニュは6種類です。

2名から予約が可能で、食事は他のグループと混ざることはありません。

予約サイト「ウィナリスト(Winalist)」を通じて予約することが可能です。

アンリ・ジロー(Champagne Henri Giraud)

1 Boulevard Charles de Gaulle 51160 Ay

\日本語で検索&期間内なら無料キャンセル可能!/

マム(ランス)

2000年代にF1レースの公式シャンパーニュだったことから、「シャンパン・ファイト」の印象が強いマム(Champagne Mumm)。

「コルドン・ルージュ」と呼ばれる、ラベルに描かれた赤い帯がシンボルです。

ランスにあるマム本社と同じ通りにある歴史的建造物「ラ・メゾン・コルドン・ルージュ」は、一般公開されたことはありませんでしたが、2023年5月12日、レストラン「ラ・ターブル・ド・シェフ」としてオープンしました。

ラ・ターブル・ド・シェフでは3ヶ月ごとにシェフが交代、各シェフがマムのシャンパーニュに合うメニューを提案します。

「シェフたちのテーブル」の名前が、まさに店のコンセプトを表しています。

初代シェフ(2023年5月〜)は、ベルギー出身の若手シェフ、マロリー・ガブシ(Mallory Gabsi)氏。

フランスの人気テレビ番組「Top Chef(トップ・シェフ)」のセミ・ファイナリスト(2020年)で有名になり、現在はパリ・ミシュラン1ツ星店「Mallory Gabsi」シェフ、2023年ミシュランガイド年間若手シェフにも選出された実力の持ち主です。

予約は、マム公式サイトからネット予約できます。

Champagne Mumm

La Table des Chefs Mumm

https://www.mumm.com/fr-fr/la-table-des-chefs-mumm/

昼食・夕食(※日曜はブランチのみ):木〜月曜

料金:55€(シャンパーニュ付95€)〜

ポメリー(ランス)

青いラベルでお馴染みの名門シャンパーニュ・ハウス「ポメリー(Champagne Pommery)」。

ポメリーは、個人客のみならず、団体客も多く訪れる、ランスのセラー見学の人気スポットです。

ポメリーでは、セラー見学後に食事とシャンパーニュ3種類を楽しめるプランを用意しています。

シンボルカラーのブルーが散りばめられたインテリアやテラスで、昼食または夕食でペアリングを楽しむことができます。

予約サイト「ウィナリスト(Winalist)」から予約可能です。

ポメリー(Champagne Pommery)

5 Place du Général Gouraud 51100 Reims

\日本語で検索&期間内なら無料キャンセル可能!/

まとめ

  • 大手メゾンによる「シャンパーニュ・ペアリング」プランは観光のトレンド
  • 実際のメゾンで、料理とシャンパーニュを味わうことができる
  • 今後レストランを併設するシャンパーニュ生産者は、増加傾向

食事がある分、1カ所での滞在時間は長くなります。

しかし、実際のメゾンで、ペアリングに配慮されたシャンパーニュと料理をじっくりと味わうことは、シャンパーニュの現地に赴いたからこそできることで、とても贅沢で特別な体験になるはずです。

「一点豪華主義」で楽しむなら、パリからの日帰りも可能です。

パリからシャンパーニュ地方への行き方は下の記事をご覧ください。

シャンパーニュ生産者のセラー見学方法は、2つに分けて詳しく紹介しています。

  • 大手生産者【大手メゾン編】
  • 小規模生産者【ヴィニュロン編】
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