シャンパーニュ生産者で味わう、食とワインのペアリング体験

シャンパーニュ地方の観光で見逃せない、大手メゾンのセラー見学。

世界的に有名な大手シャンパーニュ生産者の華やかな社屋(メゾン)を訪ねて、シャンパーニュが貯蔵されている地下蔵(セラー)を見学した後に、シャンパーニュを試飲するーーこれが、一般的な観光向けのセラー見学です。

ところが最近、「食事」も提供するメゾンが続々と登場。

メゾンが提案する「シャンパーニュと料理のペアリング体験」がシャンパーニュ観光の新たなトレンドになりつつあります。

まだ、食事を提供する生産者は数えるほどしかありませんが、併設レストランを建設中の生産者がいくつもありますから、食事を提供する生産者は今後も増える傾向にありそうです。

シャンパーニュ生産者の社屋の優雅な雰囲気の中で、シャンパーニュと料理の組み合わせを楽しむ贅沢な体験は、忘れられない旅の思い出になるはずです。

目次

大手メゾンで「シャンパーニュ・ペアリング」体験

シャンパーニュの大手生産者の一般向けの観光といえば、セラー見学&シャンパーニュの試飲が一般的ですが、最近は「食事の提供」を含むプランを用意するメゾンが少しずつ増えています。

ワインと料理の組み合わせで美味しさの最大効果を引き出すことを「ペアリング(Pairing)」と呼びます。

ワインと料理の相性の良い組み合わせを、結婚を意味するフランス語「マリアージュ(mariage)」と呼ぶこともできますが、近年は「ペアリング」の方がよく使われている印象です。

一部の生産者がスタートした食事を含むプランは、メゾンが提案する「シャンパーニュ・ペアリング体験」といえます。

セラー見学、シャンパーニュ、食事が含まれる訳ですから費用は高価になりますが、歴史ある豪華なメゾンの雰囲気の中で味わう料理とシャンパーニュのペアリングは、忘れられない体験となるはずです。

大手メゾンが提供する食事プランを紹介します(※すべて2024年3月時点の費用・内容です)。

シャンパーニュ・ペリエ・ジュエ(エペルネ)

エレガントな世界観で、日本でも人気の高いシャンパーニュ生産者、ペリエ・ジュエ(Champagne Perrier Jouet)。

ペリエ・ジュエで特に有名なシャンパーニュが、エミール・ガレ作のアネモネの花が描かれた美しいボトル入りのプレステージ・キュヴェ「ベル・エポック(Belle Epoque)」。

プレステージ・キュヴェの名前を冠した「メゾン・ベル・エポック(Maison Belle Epoque)」で、ランチ(火〜土曜、要予約)を楽しむことができます。

メゾン・ベル・エポックには、エミール・ガレ、ロートレック・トゥールーズ、ギマールなど、アール・デコの時代を代表する芸術家の貴重な作品の数々が飾られています。

セバスチャン・モレオン氏(左)とピエール・ガニェール氏

パリ・ミシュラン3ツ星店として有名な「ピエール・ガニェール(Pierre Gagnaire)」が協力、同店のセバスチャン・モレオン(Sébastien Morellon)氏がメゾン・ベル・エポックの専属シェフとして迎えられています。

「メゾン・ベル・エポックは、あまり手を加えすぎず、地元の食材を用いて、目に美しくシンプルで、それでいて繊細な料理を提供する」(セバスチャン・モレオン氏)。

ペリエ・ジュエ公式サイト「2023年春のメニュー」によれば、コース料理は(前菜・魚料理・口直しの一皿・肉料理・デザート)の構成で、合わせるシャンパーニュは次の4種です。

  • Perrier Jouet Blanc de Blancs
  • Perrier Jouet Belle Epoque Blanc de Blancs 2012
  • Perrier Jouet Belle Epoque 2014
  • Perrier Jouet Belle Epoque Rosé 2013

ランチの予約は、ペリエ・ジュエに直接連絡してください(電話・メール)。

ペリエ・ジュエ(Champagne Perrier Jouet)

La Maison Belle Epoque

https://www.perrier-jouet.com/fr-fr/nous-rendre-visite/la-maison

住所:11 Avenue de Champagne, Epernay

電話:+33 6 74 27 05 88

ランチ(火〜土曜)、ディナー(火〜木曜)※いずれも要予約

料金:1人350€ (ワイン代含む、税込)

アンリ・ジロー(アイ)

アンリ・ジロー(Champagne Henri-Giraud)の輸出相手国第1位は日本。

シャンパーニュ地方を旅行する日本人観光客の人気訪問先のひとつです。

重厚感のある味わいで、熱心なファンも多い生産者。

アンリ・ジローでは、2つの食事付きプランを用意しています。

  • テーブル・エクスペリエンス(1人250€)
  • テーブル・エクスペリエンス・コレクション(1人495€)

両プランとも、食事とともに提供されるシャンパーニュは6種類。

2名から予約が可能で、食事は他のグループと混ざることはありません。

予約サイト「ウィナリスト(Winalist)」から予約できます。

アンリ・ジロー(Champagne Henri Giraud)

住所:1 Boulevard Charles de Gaulle 51160 Ay

\日本語で検索&期間内なら無料キャンセル可能!/

アンリ・ジローのセラー見学の予約(Winalistサイトへ移動します)

ヴーヴ・クリコ(ランス)

「クリコ・イエロー」と呼ばれる鮮やかな色が特徴のヴーヴ・クリコ(Champagne Veuve Clicquot)。

ヴーヴ・クリコのセラー見学と同じ敷地内に、3月下旬から年末までオープンする「Cliquot Café(クリコ・カフェ)」。

クリコ・カフェが提案するのは、気軽な「ハンバーガー」とのペアリング。

もちろん、ただのハンバーガーではありません。

フランスの各メディアの「パリで美味しいハンバーガー特集」では「常連」とも言える「Carbon Paris」が、ヴーヴ・クリコのためだけに作成した特別レシピによるハンバーガーで、シャンパーニュとの相性も考慮されたもの。

シャンパーニュは、ヴーヴ・クリコのスタンダード品「カルト・ジョーヌ」から最高級品「ラ・グランダム」まで、全シャンパーニュをグラスで注文できます。

午前中は朝食メニュー、お昼はハンバーガーまたはサラダ、15時30分以降はアペリティフ向けなハムやチーズのプレートを提供(※2023年度のメニュー内容)。

カフェで提供されるメニューの食材は、フレッシュかつローカルな食材を多く使用。

シャンパーニュ・アルデンヌ産の牛肉、ランス・マスタード、シャウルスやラングルチーズ等の他、ヴェルジー村にあるヴーヴ・クリコが所有する菜園から採れた野菜も使われています。

クリコ・カフェは、セラー見学の予約がなくても利用可。

Champagne Veuve Clicquot

Cliquot Café(クリコ・カフェ)

住所:1 Rue Albert Thomas 51100 Reims

営業日(2024年):

3月20日~ 4月28日水~日
4月30日~ 7月 7日火~日
7月 8日~ 9月 1日毎日営業
9月 2日~10月27日火~日
10月30日~12月29日水~日

営業時間(2024年):

9時30分~18時(6月7日~9月28日は22時まで)

ヴーヴ・クリコのセラー見学の予約(Winalistサイトへ移動します)

ポメリー(ランス)

青いラベルでお馴染みの名門シャンパーニュ・ハウス「ポメリー(Champagne Pommery)」。

ポメリーは、個人客のみならず、団体客も多く訪れる、ランスのセラー見学の人気スポットです。

ポメリーでは、セラー見学後に食事とシャンパーニュ3種類を楽しめるプランを用意しています。

メゾンのシンボルカラーであるブルーが散りばめられたインテリアやテラスで、昼食または夕食でペアリングを楽しめます。

予約サイト「ウィナリスト(Winalist)」から予約できます。

ポメリー(Champagne Pommery)

住所:5 Place du Général Gouraud 51100 Reims

\日本語で検索&期間内なら無料キャンセル可能!/

ポメリーのセラー見学の予約(Winalistサイトへ移動します)

マム(ランス)

2000年代にF1レースの公式シャンパーニュだったことから、「シャンパン・ファイト」の印象が強いマム(Champagne Mumm)。

「コルドン・ルージュ」と呼ばれる、ラベルに描かれた赤い帯が目印です。

ランスにあるマム本社と同じ通りにある歴史的建造物「ラ・メゾン・コルドン・ルージュ」は、一般公開されたことはありませんでしたが、2023年5月12日、レストラン「ラ・ターブル・ド・シェフ」としてオープンしました。

ラ・ターブル・ド・シェフでは3ヶ月ごとにシェフが交代、各シェフがマムのシャンパーニュに合うメニューを提案します。

「シェフたちのテーブル」の名前が、まさに店のコンセプト。

2024年3月からシェフを務めるのは、Tom Meyer(トム・メイエ)氏。

トム・メイエ氏は、ミシュラン1ツ星店「Granite(グラニット)」シェフ。

年齢的には若手シェフ(1993年生まれ)ですが、2022年にMOF(Meilleur Ouvrier de France、フランス国家最優秀職人章)を受章しています。

マム公式サイトから予約可能。

Champagne Mumm

La Table des Chefs Mumm(ラ・ターブル・デ・シェフ・マム)

https://www.mumm.com/en-ww/la-table-des-chefs-by-mumm/

住所:31 Rue du Champ de Mars, 51100 Reims

昼食・夕食:木〜土曜

昼食のみ:月曜

料金:昼食55€(シャンパーニュ付95€)〜

マムのセラー見学の予約(Winalistサイトへ移動します)

まとめ

  • 大手メゾンによる「シャンパーニュ・ペアリング」プランは観光のトレンド
  • 実際のメゾンで、料理とシャンパーニュを味わうことができる
  • 今後レストランを併設するシャンパーニュ生産者は、増加傾向

食事がある分、1カ所での滞在時間は長くなります。

しかし、実際のメゾンで、ペアリングに配慮されたシャンパーニュと料理をじっくりと味わうことは、シャンパーニュの現地に赴いたからこそできることで、とても贅沢で特別な体験になるはずです。

「一点豪華主義」で楽しむなら、パリからの日帰りも可能です。

パリからシャンパーニュ地方への行き方は下の記事をご覧ください。

シャンパーニュ生産者のセラー見学方法は、2つに分けて詳しく紹介しています。

  • 大手生産者【大手メゾン編】
  • 小規模生産者【ヴィニュロン編】
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