シャンパーニュ地方でセラー見学する方法【大手メゾン編】

ヴーヴ・クリコのセラー見学

この記事はこんな方におすすめです。

  • フランス・シャンパーニュ地方を旅行する予定がある
  • シャンパーニュ生産者のセラーを見学してみたい
  • モエ・エ・シャンドン、ヴーヴ・クリコなど、有名メゾンを訪ねてみたい
  • シャンパーニュ生産者の訪問を予約する方法が知りたい

ワインが好きな方にとっては、旅先でのワイナリー巡りも旅の楽しみのひとつ。

シャンパーニュ地方に行くなら「あの有名ブランドのシャンパーニュ生産者を実際に訪問してみたい!」という方も多いかと思います。

シャンパーニュ地方では、ワインの生産者を「メゾン」と呼びます。

「大手メゾン」と呼ばれる、モエ・エ・シャンドンやヴーヴ・クリコなどをはじめとする有名ブランドの大手生産者では、観光客向けに自社のセラー見学を行っています。

はじめてのシャンパーニュ地方の旅、また、はじめてのシャンパーニュ生産者訪問の際には、大手メゾンの見学をおすすめします。

シャンパーニュ地方の「世界遺産」であり、ワインとしての「シャンパーニュ」の基本が詰まっているからです。

ワイナリー見学の予約サイトを利用すれば、主な大手メゾンのセラー見学を簡単に予約することができます。

シャンパーニュ地方在住10年超・シャンパーニュ生産者勤務(現職)の筆者が、「大手メゾン」と呼ばれるシャンパーニュ生産者の訪問方法を詳しく説明します。

目次

シャンパーニュ地方では、メゾン = シャンパーニュ生産者

モエ・エ・シャンドン本社にあるドン・ペリニヨンの銅像

シャンパーニュ地方では、シャンパーニュ生産者を「メゾン(maison)」と呼びます。

フランス語で「家」を意味する言葉です。

厳密に定義されている訳ではありませんし、文脈によっても意味合いは変わりますが、一般的に次のニュアンスで使用されていることが多いです。

メゾン(maison):

  • 大手生産者(例:モエ・エ・シャンドン、ヴーヴ・クリコなど)。「グラン・メゾン(Grandes maisons)」の表現では、「大手」ということがさらに強調される。
  • 大手生産者の建物。

ドメーヌ(domaine):

中小規模の生産者の醸造設備を備えた建物。

実際に、大手生産者のセラー見学に参加すると、ガイドさんは「わたしたちのメゾンでは~」と説明してくれます。

大手メゾンのセラー見学をおすすめする3つの理由

こんな方には、ぜひ1度はシャンパーニュの大手メゾンのセラー見学に参加することをおすすめします。

  • はじめてシャンパーニュ地方に来る方
  • はじめてシャンパーニュ生産者を訪問する方

おすすめ理由(1)シャンパーニュの「メゾン」と「カーヴ」は世界遺産

2015年7月、「シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴ」はユネスコの世界遺産に登録されました。

「カーヴ(cave)=セラー(cellar)=地下蔵」です。

大手メゾンのセラー見学は、シャンパーニュ地方を観光する上では外せない存在です。

おすすめ理由(2)シャンパーニュの「基本」がわかる

大手メゾンのセラー見学は、シャンパーニュの基本をわかりやすく伝えてくれます。

シャンパーニュ初心者の方にも、わかりやすい内容です。

シャンパーニュ好きの方の中には、小規模生産者の訪問を希望している方もいるかと思います。

小規模生産者を訪問する前に大手メゾンの見学を1度でも経験しておくと、「大小規模の違い」の尺度を持つことができると思います。

シャンパーニュへの理解や興味がより深くなること請け合いです。

おすすめ理由(3)メゾン併設ショップのお買物も楽しい

大手メゾンのセラー見学後は、シャンパーニュの試飲があります。

試飲スペースそばには、多くの場合、ショップが併設されています。

ショップでは、こんな楽しみがあります。

シャンパーニュ」を買うことができる

見学したメゾンのボトルを購入することが可能です。時には、日本未発売・発売前のボトルが見つかることもあります。

オリジナル・グッズ」を買うことができる

シャンパーニュに直接関わるアクセサリー(ボトル・ストッパー、アイス・バケツ、グラスなど)だけではなく、Tシャツ、バッグなど、日本ではなかなか手に入れることができないロゴ入りのオリジナル・グッズの購入が可能です。

「ショップ限定サービス」を受けることができる

併設ショップで購入したボトルに、その場で「名入れ」サービスを行なっているメゾンがあります(例:モエ・エ・シャンドン、ペリエ・ジュエ)。

「メゾンの世界観」を感じることができる

ブティックのインテリアは、メゾンの世界観を体現しています。

写真を撮りたくなるような装飾や、展示もあり、見るだけでも楽しめると思います。

なお、メゾンの敷地内に、独立したショップがある場合は、セラー見学に参加しなくても、ショップでお買物を楽しむことができます(例:モエ・エ・シャンドン、ペリエ・ジュエなど)。

大手メゾンのセラー見学内容

日本または海外のワイナリーを訪ねたことがない方にとって、シャンパーニュ地方のワイン生産者の訪問・見学がどんなものなのかは、想像しにくいかもしれません。

シャンパーニュ生産者によって内容に多少の違いはありますが、筆者の経験上、大手メゾンの一般向けセラー見学は、下記の内容が一般的です。

  • シャンパーニュの基本知識の説明
    • ワイン産地としてのシャンパーニュ地方の概論
    • シャンパーニュのブドウ畑、ブドウ品種、畑での作業
    • シャンパーニュ製法(瓶内二次発酵)を中心とした醸造方法
  • 自社セラーの見学と自社シャンパーニュの説明
  • シャンパーニュの試飲

生産者もしくは選んだプランによっては、「醸造設備(圧搾機、タンク、瓶詰ラインなど)」や「ブドウ畑」を見学できることもあります。

大手メゾンのガイドさんは、シャンパーニュの基本的な事柄を、わかりやすく説明してくれます。

フランス語または英語の語学に自信がない人でも、

  • こんなブドウが使われているんだな
  • こんな道具を使ってできるんだ

など、詳細に理解できなくても、視覚的にわかる発見も多いと思います。

大手メゾンのセラー見学の予約方法

大手生産者の一般観光客向けセラー見学は、基本的にインターネットで予約可能です。

次の2つの予約方法があります。

  • 生産者サイトから直接予約する
  • ワイナリー見学予約サイトを利用する

それぞれの予約方法は、詳しく後述します。

見学できない生産者もある

大手メゾンのセラー見学の予約方法について説明する前に、「予約できない生産者もある」ことをお伝えします。

「大好きなシャンパーニュを作る、あの生産者を訪問してみたい!」と思うかもしれませんが、実際には、一般の見学希望者を受け入れている生産者と、そうでない生産者がいることを知っておきましょう。

一般客向けのセラー見学を行っていない大手生産者(2023年7月現在)の例:

  • サロン(Champagne Salon)
  • クリュッグ(Champagne Krug)
  • ポル・ロジェ(Champagne Pol Roger)
  • ルイ・ロデレール(Champagne Louis Roederer)
  • シャルル・エドシック(Champagne Charles Heidsieck)

実際に、上記生産者のひとつで働く友人に聞いたところ、

世界中から見学希望の問い合わせは来るけれども、取引のある輸入業者を通じた訪問依頼以外は受けていない。

と言っていました。

見学したい生産者がある場合、まずは「自社サイト」をチェック

「この生産者を見学したい!」という目的がはっきりしている場合は、直接自社サイトをチェックしてみましょう。

一般観光客向けセラー見学を行っている大手生産者では、自社サイトで見学予約を行っています。

自社サイトを経由した予約方法には、2つのパターンがあります。

  • サイト上で予約日時を選択、カード決済まで完了できるパターン
  • 問合せフォームまたはメールで連絡、メゾン担当者とのやり取りが必要となるパターン

長所:予約可能な日時がはっきりとわかる

短所:支払後の変更・キャンセル不可の生産者もある

旅程に変更があることは珍しくありませんから、支払後の変更・キャンセルができないというのは、困る時もあるはずです。

自社サイト以外での予約を受け付けていない場合を除いては、「ワイナリー予約専門サイト」を経由した予約をおすすめします。

旅程に合わせて見学先を探したい場合は「ワイナリー予約専門サイト」が便利

限られた旅程の中で「この日時で訪問可能なワイナリーを探したい」という時には、「ワイナリー予約専門サイト」を活用することをおすすめします。

予約専門サイトはいくつかありますが、筆者のおすすめは、Winalist(ウィナリスト)です。

Winalist(ウィナリスト)のおすすめポイント

  • 日程・訪問人数ごとに検索可能
  • 日本語で検索可能
  • 「セラー見学&試飲」「試飲のみ」「食事」「ツアー」などプランの選択可能。
  • 所要時間が記載されているので、スケジュールを組みやすい
  • 予約手数料なし、訪問先ワイナリーと同じ価格で予約可能
  • 予約先が設定する期日前までのキャンセルは無料
  • シャンパーニュ地方だけでなくヨーロッパのワイン産地のプランも検索可能

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※10€の割引特典は、新規会員で最低50€の初回予約に限ります。

セラー見学を、訪問したいシャンパーニュ生産者の自社サイトで予約するか、もしくは、Winalist で予約するかを迷った場合、筆者はWinalistで予約することをおすすめします。

なぜなら、Winalist で予約した場合は、予約先のシャンパーニュ生産者が設定する期日前であれば、無料キャンセルが可能だからです。

シャンパーニュ生産者によっては、自社サイトで受けたセラー見学予約の変更・キャンセルは一切認めていません。

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冬季(11月~2月)の営業日に注意

シャンパーニュ地方の観光シーズンは、復活祭(3月または4月。年による)のバカンスから10月末までです。

観光シーズン中、一般向けのセラー見学は「ほぼ毎日」営業しています(生産者によっては、土・日休みの場合もあるので、確認の上、旅行計画を立ててください)。

気を付けたいのは、観光オフ・シーズン(11月~2月)です。

冬にシャンパーニュを訪れる場合、営業の有無と営業時間に注意してください。

11月~12月は週末限定で営業するメゾンもあれば、1~2月は完全休業するメゾンもあります。

冬にシャンパーニュ地方に来る予定がある方は、気をつけてください。

セラー見学当日の「服装」

セラー見学当日の「服装」について、いくつかアドバイスしたい点があります。

当たり前に思える人もいるかもしれませんが、意外と忘れがちなので参考にしてください。

夏場の見学でも、「地下セラーで寒い」と感じることも

地下セラー内の温度は、年間を通して一定で、10〜12度に保たれています。

外気温に比べて「夏は寒く、冬は暖かく」感じます。

「寒がり」の自覚がある方は、夏の見学であっても、長袖のカーディガンや薄手のショールなどを用意しておくと安心です。

足元は、スニーカーまたは平底の靴がおすすめ

多くのメゾンでは、地下セラーへの移動は、長い階段を歩いて降りて行きます。

また、地下セラーの湿度はとても高いので、湿った石の上を歩くようなもので、とても滑りやすい状態です。

セラー見学の際は、スニーカーまたは平底の靴を履いて参加することを、強くおすすめします。

まとめ

  • シャンパーニュ地方で「メゾン」は、一般的に「大手生産者」を指すことが多い
  • 世界遺産の一部でもある大手メゾンのセラーは、シャンパーニュ地方の観光では見逃せない
  • 大手メゾンのセラー見学は、インターネットで予約可能
  • 期間内ならば無料キャンセル可能な、ワイナリー予約専門サイト「ウィナリスト」が便利
  • 冬季は完全休業するメゾンもあるので注意が必要
  • セラー見学当日、寒がりの人は長袖を準備、足元は底が平らな靴がおすすめ

大手メゾンの他に、小規模生産者を訪問したい方もいるかと思います。

「ウィナリスト」のようなワイナリー予約サイトで、予約できる小規模生産者もありますが、多くの場合は、個別に問い合わせる必要があります。

予約の方法や注意点などは下の記事を参考にしてください。

一部の大手メゾンでは、セラー見学&シャンパーニュ試飲だけでなく、「食事付」プランも用意しています。

食事プランを提案する生産者と予約方法については、下の記事をご覧ください。

近年、「宿泊サービス」に乗り出しているシャンパーニュ生産者が増えています。

シャンパーニュ生産者の直営のホテル・B&Bを下の記事にまとめました。

宿泊先の選択肢のひとつとして参考にしてください。

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