シャンパーニュの都、エペルネに行くからには、シャンパーニュを買いたいと思う方も多いはず。
小さな街なので個人のワインショップの数はあまり多くはありませんが、その中でもおすすめの4店を筆者のおすすめポイントを添えて紹介します。
また、エペルネはシャンパーニュ通りを中心に観光化が進んでいるため、シャンパーニュ生産者の直営店が多いのが特徴。
セラー見学を予約していなくても、営業時間内に訪問すれば買い物をすることができます。
記事の後半では、シャンパーニュを購入するにあたり、知っておきたいことにも触れました。
当たり前なようでいて、見落としがちなポイントなので、ぜひ確認してください。
エペルネのシャンパーニュ&ワインショップ
Le 520(ル・サンク・ソン・ヴァン)
「世界一のシャンパーニュショップ」。
誰が言い出したのかは知りませんが、こんなフレーズを何度か聞いたことがあります。
シャンパーニュ愛好家・プロの間では、とても有名なワインショップです。
日本人のシャンパーニュ好きの間では「520(ゴー・ニー・ゼロ)」と呼ばれることも。
店主のピエール・イヴさんは、「シャンパーニュ・アンバサダー(※後述)」初代フランス代表(2005年)で、シャンパーニュに関する深い知識・経験の持ち主。
シャンパーニュは、大手から小規模生産者まで幅広くあり、エリアごと(コート・デ・ブラン、モンターニュ・ド・ランス、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、オーブ)に棚が割り振られています。
レジ横の棚に並ぶ「ラタフィア」「コトー・シャンプノワ」のボトルは、日本ではなかなか入手できないものも。
また、マグナムボトルの取扱いも多い印象です。
スティルワインは多くはありませんが、各産地の優良生産者のボトルが揃っています。
エペルネの朝市がある土曜日の午前中は、シャンパーニュ生産者を招いた試飲販売を開催(毎週開催するわけではないので、同店SNSで日程を確認してください)。
店内には食材コーナーがあり、ワインのおつまみになりそうな瓶詰パテやサラミのほか、「最高の板チョコレート」としてファンの多い「Chocolat Bonnat(ショコラ・ボナ)」も販売しています。
プロ・愛好家から高評価を受けるシャンパーニュを求める方に、おすすめの店。英語での接客もスムーズです。畑、醸造、ヴィンテージの違いなど、ピエール・イヴさんと話をすると、わたしはいつも教えてもらうことばかり。お気に入りの場所だという「コルシカ島」のワインに、妙に広く場所が割かれているところもユニークな店。クロネコヤマト取扱店ですが、発送するよりも持ち帰りをおすすめします。
Le 520(ル・サンク・ソン・ヴァン)
住所:1 avenue Paul Chandon, 51200 Epernay
定休日:日曜
※クロネコヤマト取扱店
La Cave Salvatori(ラ・カーヴ・サルヴァトーリ)
1952年創業、エペルネの老舗ワインショップ「ラ・カーヴ・サルヴァトーリ」。
エペルネの中心「レピュブリック広場(Place de la République)のすぐそばにあります。
年配のシャンパーニュ愛好家は「エペルネのワインショップといえば、サルヴァトーリ」という人も多い有名店。
80歳を過ぎても店に立っていたマダム・サルヴァトーリ(上写真、故人)は、「シャンパーニュの生き字引」とまで言われた有名人でした。
店のオーナーは変わりましたが、現在もシャンパーニュの品揃えの多さは変わっていません。
どちらかと言えば、大手メゾンが多めの印象。
シャンパーニュの他にも、ワイン、ウイスキー、スピリッツなどをひと通り扱う「街のお酒屋さん」として頼もしい存在です。
大手メゾンのボトル、日曜営業の店を探している方におすすめ。エペルネでいちばんアクセスの良いワインショップ。小さな店に所狭しとボトルが並んでいます。
La Cave Salvatori(ラ・カーヴ・サルヴァトーリ)
住所:11 Rue Flodoard 51200 Épernay
毎日営業(日曜は午前中のみ)
#Brut(ブリュット)
シャンパーニュ通りの中腹の信号そばにある「ブリュット」。
シャンパーニュ・バーですが「ワインショップ」としてボトルの販売もしています。
メニューにあるボトルは、基本的にすべて購入可能。
店主である若いカップル(レオニー&ジュール)がセレクトしたボトルは全てBIO(オーガニック)。
- ド・スーザ
- マルク・オーギュスタン
- パスカル・ドケ
- フルーリー
など、シャンパーニュ好きに人気の高い銘柄のほか、レオニーとジュールが惚れ込んだ若手生産者も。
バーに来るお客さんからの要望に応えて、スティルワインの品揃えを少しずつ増やしています。
レジ横の棚に並ぶボトルには、数字が2つ書き込まれており、安い方が「持ち帰り価格」、高い方が「その場で飲む場合の価格」です。
・BIOシャンパーニュ好きな人
・日曜日にボトルを購入できる店を探している人
におすすめ。シャンパーニュ・バーのイメージが先行していますが、シャンパーニュを買える店としても魅力的です。
#Brut(ブリュット)
住所:25T Avenue de Champagne, 51200 Épernay
シャンパーニュバー「#Brut」は、別記事で紹介しています。
Le 19(ル・ディズ・ヌフ)
2021年7月にオープンした、ブドウ栽培者組合(Syndicat Général des Vignerons)直営のシャンパーニュ・ショップ「Le 19(ル・ディズ・ヌフ)」。
小規模生産者、協同組合のシャンパーニュ・約100種類を販売しています。
シャンパーニュの有料試飲も行なっており、店内または中庭のテラスで楽しめます。
日本で出会えないシャンパーニュを探している人におすすめ。ボトル販売価格に5€追加すれば、ボトルをその場で飲むことができます(良心的!)
Le 19, la boutique des Champagne de Vignerons(ル・ディズヌフ・デ・シャンパーニュ・ド・ヴィニュロン)
住所:19, avenue de Champagne – 51200 Epernay
毎日営業(※季節や曜日により営業時間が変わるので注意)
エペルネは、シャンパーニュ生産者直営店が充実
エペルネには、シャンパーニュ生産者の直営店がたくさんあります。
また、店はなくても、シャンパーニュ販売を行っている生産者も。
営業時間内であれば、直接行ってシャンパーニュを購入することができます。
シャンパーニュ生産者 | 店舗の有無 |
Moët & Chandon(モエ・エ・シャンドン) 20 avenue de Champagne | ◯ |
Perrier-Jouët(ペリエ・ジュエ) 26 Avenue de Champagne | ◯ |
Collard-Picard(コラール・ピカール) 15 Avenue de Champagne | ◯ |
Leclerc Briant(ルクレール・ブリアン) 25 bis avenue de Champagne ※クロネコヤマト取扱店 | ◯ |
A.Bergère(ベルジェール) 40 Avenue de Champagne | ◯ |
Boizel(ボワゼル) 68 Avenue de Champagne | ◯ |
de Venoge(ド・ヴノージュ) | ◯ |
Mercier(メルシエ) 68 Avenue de Champagne | ◯ |
Comtesse Lafond(コンテス・ラフォン) 79 Avenue de Champagne | ◯ |
Alfred Gratien(アルフレッド・グラシアン) 30 Rue Maurice Cerveaux | ◯ |
Gosset(ゴッセ) 12 rue Godart Roger | x |
Janisson-Baradon(ジャニソン・バラドン) 9 place de la République ※クロネコヤマト取扱店 | ◯ |
Pierre Mignon(ピエール・ミニョン) 9 rue Jean Moët | ◯ |
Vincent Testulat(ヴァンサン・テチュラ) 2 Boulevard du Cubry | ◯ |
モエ、ペリエ・ジュエのような試飲スペースとは分かれた「店」もありますが、大半はルクレール・ブリアン、ド・ヴノージュのような「試飲もできる販売店」です。ゴッセは、店舗はありませんがメゾンで有料試飲・ボトル&グッズ販売をしています。
ワインショップで買い物をする時に知っておきたいこと
クレジットカードは、ビザ or マスターを忘れずに
シャンパーニュ・ワイン販売店で買い物をする時、クレジットカードは、VISA(ビザ)またはMASTER(マスター)のどちらかを必ず携帯しましょう。
フランス旅行全般に言える話ですが、ビザかマスターのどちらかは必ず携行することを強くおすすめします。
フランスはほとんどの店でクレジットカード払いが可能ですが、日本で有名なクレジットカードであっても、フランスで使うことが難しいカードもあることを知っておいてください。
エペルネで使えるクレジットカード(※筆者の経験に基づく):
- 〇 Visa(ビザ)…問題なく使えます。
- 〇 Master(マスター)…問題なく使えます。
- △ American Express(アメリカン・エクスプレス)…使える場所は限られています。
- ✖ Diners(ダイナース)…アメックスが使える店でも使えなかった経験が数度あります。
- ✖ JCB(ジェイ・シー・ビー)…シャンパーニュ地方で使えたという話を聞いたことがありません。
アメックス、ダイナース、JCBをメインのクレジットカードとして使っている方は、特に気をつけてください。
購入したボトルをどうやって持ち込むか問題
「送る」または「(自力で)持ち帰る」。
いずれにせよ、購入したボトルをどうやって日本に持ち込むか?という問題にぶつかる方もいるでしょう。
送る場合は、クロネコヤマト取扱店でボトルを購入することをおすすめします。
持ち帰る場合は、1~2本なら問題ありませんが、まとまった本数を買う方は、ワインを運ぶためのバッグやキャリーなどを準備した状態でワインショップに行く方が良いでしょう。
ボトルを送る・持ち帰る方法は、別記事で詳しく紹介していますので、参考にしてください。
ワインショップで買い物をしたい方は、日本の感覚よりも長い時間を予定に組み込むことをおすすめします。買いたいものがすぐに決まり、さっと購入できることもありますが、発送のための申込用紙の記入やレジの順番待ちなど想像以上に時間がかかることが多いからです。例えば「10分くらいワインショップに寄りたいんだよね!」という方には、わたしは「30分は見込んだ方がいいですよ」とアドバイスします。
免税対応店でなくても、結果的に免税にすることは可能
エペルネのワインショップからボトルを「送る」場合は、免税価格(付加価値税(TVA)20%免除)でボトルを購入できることが多いと思います(必ず、店に確認してください)。
購入ボトルを「持ち帰る」場合、ワインショップが免税書類の作成に対応しているかはわかりません。
語学的なハードルや、書類手続きの面倒さから、フランスで購入したワインの免税手続を諦めていた方も多かったのですが、最近は便利なアプリも登場しています。
1回のフランス旅行中の買い物の合計金額が100.01€以上なら、アプリを使った免税手続きが可能で、購入金額の13%相当額の払戻しを受けることが可能です。
シャンパーニュやワインを購入すれば100€を超えることは多いと思うので、税金払戻アプリの利用を検討しても良いかもしれません。
詳しい利用方法は、別記事を参考にしてください。
店内で勝手に写真を撮らない
ワインショップで写真を撮りたい場合は、店の人に許可を取ってから撮影しましょう。
個人店の中には「店内での撮影NG」としている店もあります。
ワイン検索アプリを使うために、ワインラベルの撮影をしたい人もいるかもしれませんが、気を付けてください。
「冷えたボトル」を買うことも可能
シャンパーニュを購入する際に「冷えたボトル」を買うことも可能です。
特にエペルネの場合は、試飲可能なサロンやテラスを併設するシャンパーニュ販売店が多いので、冷えたボトルを持っています。
冷えたボトルはありますか?
英語:Do you have a chilled bottle ?
仏語:Vous avez la bouteille fraîche ?(ヴザヴェ・ラ・ブテイユ・フレッシュ?)
と、店員さんに一言声をかけてみてください。
冷えたボトルを買えば、すぐに飲むことができて便利です。観光客は「ピクニック」や「(宿泊先での)部屋飲み」のために購入することが多い印象です。
まとめ
- エペルネにワインショップは多くないものの、各店に特色あり。
- エペルネにはシャンパーニュ生産者直営店がたくさんあり、セラー見学しなくてもボトル購入できる。
- VISA(ビザ)またはMASTER(マスター)のクレジットカードを忘れずに。
- 日本にボトルを「送る」場合は、クロネコヤマト取扱店で購入するのがおすすめ。
- 日本にボトルを「持ち帰る」場合は、税金還付アプリ「Wevat」利用を検討する価値あり。
エペルネのシャンパーニュ生産者の中には、「シャンパーニュと食事のペアリング」提案をする生産者もあれば、「宿泊施設」を持っている生産者もあります。
もちろん、セラー見学をして試飲をした後に、シャンパーニュの買い物を楽しむのも良い流れ。
シャンパーニュの都、エペルネの観光を満喫してください。
ランスのおすすめシャンパーニュ&ワインショップは別記事で紹介しています。
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